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たまには長文を

くまクマ熊ベアーぱーんち!(2期)感想

第1期が好きだったので2期も当然見た。安定して面白かった。

(以下ネタバレあり)

 

第1期が2020年秋クールだったことを思えば、よくぞ2023年に第2期を作ってくれたと思う。

第1期は面白かった。元の世界に戻りたくないと語るユナにどこか暗い過去を想像しつつも、ポジティブに自分の環境を改善していく様子が好きだった。
孤児や遭難者を助けるだけでなく、仕事まで与えることによってその場限りではない真の救いをもたらすストーリーには感心した。

一方の2期は、面白かったとは思うものの第1期と比べるとやや小さくまとまった感はある。

その理由は、ユナが既にある程度自分にとって心地良い環境を作ってしまったためだろう。第2期は全体的に、相変わらず熊の姿が奇妙というだけでユナを馬鹿にしたキャラがその能力を前にして手のひら返しするパターンの繰り返しだった。

無難にまとまったなーと思う証拠に、私もTwitterで見始めたpostと見終わったpostの間で3か月、何も感想を残さなかったらしい。


この第2期で気になったのは「ユナ自身が相手にケリを付けない」こと。
身勝手なキャラを懲らしめる勧善懲悪的な回が2回あった。
一度目はファーレングラム家の専属料理人のボッツが襲撃されて料理ができなくなったところに、ユナが王宮料理長のゼレフを連れてきてガジュルド・サルバードに恥をかかせる展開。
二度目は最終盤でガジュルド・サルバードの悪事を暴く展開。こちらは一番いいところでエレローラを連れてくることで正式に逮捕している。

どちらもユナ自身は手を下していない。もちろんその直前までチート能力を存分に発揮しているのだが、最後のケリはつけない。

こういう展開は敢えてやっているのだろう。明確な意図を持ってこういうシナリオにしている。

このシナリオの意図が正直よく分からなかった。
ユナの手を汚させない原作の意図かもしれないが、明らかに相手をやっつけてやろうという意識を前面に押し出して動いているのに最後の最後に手を引くのはどうにもスッキリしなかった。別に気にしないで倒しちゃえばいいじゃんと思った。

そのくせ、2期の最後の最後でガジュルド・サルバードはあっさり死刑になっている。「死刑」ってそう易々と出てくる単語じゃないはずなんだが‥。


そんな感じで、面白かったし見て良かったとも思うけれど、勧善懲悪展開で視聴者を気持ちよくさせるストーリーでもなく、第1期の8割くらいの魅力をキープして原作ファンや1期のファンに届けた、そんな第2期だった。

 

 

(1期の記事)

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