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たまには長文を

ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する感想

特にこれといった不満はなく全体的に楽しめたが、どうしても設定とかメタ的なところでツッコミどころがある感想。

(以下ネタバレあり)

 

失敗した前回の人生の選択を振り返り次こそは生き延びて見せると決意する主人公の行動原理自体はまぁ自然だし悪くない。

2階から飛び降りても無傷で着地できるフィジカル(身体の使い方)を活かしたり商人との交渉を進めたりと、過去の人生で得た経験や知見をフル活用していく展開もループ7回目の設定に沿っている。

一方それが素直に受け止められるかは私たち視聴者の心持ち次第だと思った。

私はどちらかというと、
そりゃ記憶を保ったまま7回も人生やり直せたら頭脳明晰運動神経抜群の完璧人間になれるわな」と思ってしまった。

勉強したことを忘れないならば、東大の合格者は浪人生ばかりになっているだろう

 

同様に「ここ進研ゼミでやったところだ!」と言わんばかりに物語上のターニングポイントで最適な選択肢を選べるのもループのおかげでしかない。
決意と覚悟を持って選択したというよりも、「前の人生でこっちを選んで失敗したから今度はこっちにしてみよう」みたいな印象がどうしても残る

 

ただこれに関しても一応原作者を擁護しておくと、前回の選択がダメだったとて今回の選択が正しい保証もないので、主人公は一貫して相応の覚悟を持っていたとも解釈できる。

なので繰り返すがこの展開を素直に受け止められるかは視聴者次第なのだろう。


見ていて、原作者が女性であることだけは強烈に伝わってきた

アルノルト・ハインが、好き勝手行動するリーシェに溜息をつきつつもを全面的に受け入れている点に加え、リーシェが語らずとも全部察しているあたりがいかにも女性的だった。

 

 

そして何より最大のツッコミどころなのだが、
「ループが7回目」なら人生は「8回目」だと思う。
ループ1回なら人生が2回目なのだから。

 

全体振り返るに、「7回も人生ループしたら強いだろ」とツッコみつつも、過去の人生が全部今回の人生の選択に繋がっている設定はキレイに活かされていたしそこそこ満足。