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たまには長文を

最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。感想

後半から徐々に面白さが増していった。最終話まで見終わった満足感はそこそこある。

(以下ネタバレあり)

 

第1話は総監督・山内重保の作風が色濃く出た絵コンテと演出だった。
誰に聞かせたいでもない独り言ノローグと、やや斜めに映した顔のアップの止め絵がこれでもかと盛り込まれていた。

夢喰いメリー』(2011年)を思い出す。

 


前半に関しては終始違和感が強かった。

神から与えられたスキルと星で人生が事実上決まってしまう世界であることを視聴者に伝えるのに、住人同士の不自然な説明口調の会話がしつこく繰り返されていた。

世界観を地の文で説明できないアニメ特有の苦しさではある。この辺、小説とアニメが異なる媒体であることを思い知らされる。

主人公が学校に通う設定なら、授業で先生が「改めてその世界の特徴について解説する」シーンがよく使われる。
これは高校の授業で先生が突然「みんなも知っての通り、この地球では~~」みたいな解説をするに等しい。

話を戻して、もう一つの違和感は主人公のフェミシア/アイビーがラトミ村から追い出されるいきさつである。
5歳まで両親や兄弟から愛されて育ったのに、「星なし」と判明するや手のひらを返して扱われる異常さが気持ち悪かった。中でも父親は星なしという理由で娘を殺しそうな勢いだった。


この苛烈さがフェミシア/アイビーが村を脱出するトリガーになっている構成上の都合は理解するのだが、後半のラトメ村では「星なしは珍しいけど星なしでもいいじゃん」とあっさり受け入れられていた。

舞台装置にしてもあまりに極端すぎた。
「自分を受け入れてくれないラトミ村⇔受け入れてくれるラトメ村」の対比が必要なのは分かるけど、分かるけど‥落差が大きすぎた。


後半は面白かった。軍の結構な割合が裏切り者で、それを炙り出すために作戦を練って実行に移すストーリー展開は良かった。