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たまには長文を

薬屋のひとりごと感想

全24話、全部面白かった。特に2クール目は2024年冬クールで一番面白かった。

(以下ネタバレあり)

 

まず舞台設定。「中華風ミステリー」という独創的な世界観が良い。しかも違和感なくかつ非常に細かく作り込まれている。最近はなろう系特有の似たような異世界ファンタジーが溢れているので、その反動もあってよく練られた舞台設定自体が面白さを引き立てる。

 

 


全体的には女性向けの作風である。
・斜に構えたどこかダウナー系の主人公
・本気を出すと優秀
・変なこと(毒)に興味津々
・毒を自ら摂取して「これ、毒です」
・宮廷で一番のイケメンからの「おもしれー女」展開
・その後なんやかんや惚れられる

と、良い意味でお腹いっぱい。
30代男性会社員の私ですらこんなにハマってしまったのだから、もし私が陰キャJCだったら危なかった。もっとのめり込んでいたと思う。


最終盤の羅漢のくだりはとりわけ印象深い。
終盤までどう見ても「嫌な奴」として描かれてきたのに、最後の最後で羅漢にも人間らしい一面があることを見せられた。
梅毒でボロボロになっている鳳仙フォンシェンのことを、それでもなお愛する羅漢には胸を打たれた。
相貌失認ながら顔を見分けられるだけあって羅漢にとって特別な女性であったことが伺える。


悠木碧の起用もただ一言「見事なキャスティング」という他ない。
猫猫の、静かな中にも喜怒哀楽をたっぷり盛り込んだ感情を過不足なく表現できるのは悠木碧をおいて他にいなかった。


楽曲も良かった。OPもEDも、2クール計4曲全部頭に残る名曲だった。さらに挿入歌を6曲も盛り込んできた力の入れようも素晴らしい。

そして2期も発表された。放送が待ち遠しい。

放送開始は2023年ながら、私個人としては最終話が放送された2024年の作品にカウントしたい。そしてまだ冬クールとはいえ、早速2024年ベストアニメになりそうな予感がしている。