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たまには長文を

スパイ教室感想

ギャグ調の軽いノリとやるかやられるかの緊迫した場面のバランスが私好みで、とても面白かった。

(以下ネタバレあり)

 

見る前からキャスティングの豪華さに面食らった。
ヒロインは雨宮天伊藤美来東山奈央悠木碧上坂すみれ佐倉綾音楠木ともり水瀬いのり。主人公は梅原裕一郎である。メインキャラ9人が全員有名声優なのがすごい。さらには脇役に三木眞一郎川澄綾子までいるわけで、よくキャスティングできたと思う。

その陰に隠れてスタッフ陣も実力派揃いだった。
監督の川口敬一郎は年間に複数作品監督を務める有名人だし、助監督の池端隆史(博史池畠ではない)も80年代から業界にいるベテラン。シリーズ構成の猪爪慎一は今回初めて知ったけど、コンスタントにシリーズ構成を務めている。単発で兵頭一歩や木村暢を脚本に招聘している。
木村暢と言えばプリンセス・プリンシパルの劇場版を書いていることも記憶に新しい。

もちろん制作陣の名前を見て喜んでいたわけではない。
肝心の中身も十二分に面白かった。序盤の3話を使ってミステリのようなピリピリしたストーリーを展開し、第4話以降で少し作風を変えてキャラ一人ひとりを取り上げた。構成としてうまいなと思った。特にキャラが最初から多いので扱いが難しかったと思う。小説やマンガと違って地の文で補足できないわけだし。

主人公・クラウスの説明能力が皆無なのも実はプラスの方向に作用していると思う。オチが最後まで読めないドキドキ感が面白いのであって、視聴者に忖度して全部説明するようでは魅力が半減してしまうだろう。

極上だ――
だからこそあらゆる状況を一言で締めてしまうこの決め台詞がつい癖になってしまうのだ。


8人目のキャラを中盤まで隠していたのも好き。しかも正式な登場までによーく見るとカットによっては微妙に見えているのがすごい。

OPもシックなメインEDも耳に残る良曲だった。
それでいて1回きりの特別EDを4曲も用意したのもすばらしい。

1クール置いて、2023年7月からは2期が予定されている。こちらも期待して待ちたい。