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たまには長文を

老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます感想

主人公・ミツハの性格の悪さが生理的に無理だった。設定自体はひねりがあって面白くなる素養はあったはず。

(以下ネタバレあり)

 

一応最初に擁護しておく。
設定自体は凝っていて面白かったと思う。
・任意のタイミングで現世と異世界を転移できる
・現世内や異世界内でのワープは不可能で、一度別世界を経由する必要がある
・一度行った場所や強くイメージできる場所にワープできる
・あらゆる言語が分かる

特に2番目の一度別世界を経由しないといけない設定が上手い。
かつ、主人公が「このワープ能力がいつ消えるか分からない」という危機感を持っているところが良い。誰しも実際にそのような超能力を唐突に手に入れたらこのような不安を持つのは自然であろう。
それが故にどちらの世界でワープ能力が尽きても生きて行けるだけの金を稼いでおこうという発想になるわけで、異世界転生(厳密には転移)モノとしてはそこそこリアリティのある設定を考えたものだと思う。


・・が、擁護はここまで。

ミツハの生き方や考え方はたとえフィクションと割り切ってもなお自己中心的すぎて受け付けなかった。

現世のものを異世界側に持ち込んで売るという発想は良いとしても、値段を釣り上げて「ぼったくり」することを本人も明言していた。
そして口を開けば嘘をつく勢いで他人を騙していくストーリーには嫌悪感しかなかった。良心の呵責に悩むどころか「相手を騙して金儲けできてラッキー」と笑うミツハは本当に気持ち悪かった。

大体自分が開発したわけでもないのに地球から持ち込んだレトルト食品を温めて他人に食べさせる際に勝ち誇ったようにドヤ顔する神経が分からん。どこまで厚顔無知なんだ。

 


あと第何話だったか忘れたけど、第三王女のサビーネが金貨1枚に釣られてミツハを騙そうとしたシーンも違和感がすごかった。

第三王女だろ?
お金に困っているわけでもあるまいに金貨1枚ごときで慕っているミツハを騙そうとするか?
もしこれが原作通りなら原作者は本当にお金のことしか頭にないのだろう・・。なんか悲しい・・。


ちなみに残念なことにストーリーだけじゃなくてアニメとしてもそんなにクオリティが高いわけではなかった。第7話とかシーンの切り替わりごとにBGMがブチブチ切れていて、1話分として完成していなかった。

 

 

アニメ公式HPには「累計1億2,000万PV越えの小説がついにアニメ化」と記載されている。このPV数が多いのか少ないのかは知らないが、こんな主人公が他人を騙して喜んでる作品が人気になるなろう系の読者層ってどうなのだろうか‥。