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たまには長文を

失格紋の最強賢者感想

なろう系が溢れる最近のアニメ界においては、正直言って設定から展開まで平凡で底が浅い。良いところもいくつか挙げるが、全体としては凡作。

(以下ネタバレあり)

 

良かった点は
・イリスがかわいいこと。
・声優陣が豪華なこと。
・主人公役の声優・玉城仁菜がキャリアは短い割に演技力は高かったこと。
この3点である。
特に男性声優はアニメ界を牽引してきたレジェンド声優たちである。どうやってここまで集めたのか。


残念だった点は
・失格紋の設定が特に活かされていないこと。
・数千年後に転生したにしては文明が変わっていないように見えること。
・いかにも主人公より強そうに描いていたザリディアスが弱すぎること。

失格紋の設定が最後まで活かされていないのは拍子抜けした。アニメ最終話以降に原作内でこの設定が効いてくる気配も感じなかった。前世で魔法戦闘を極め、さらに強くなろうと転生したという設定だが、もうちょっと設定を練ってほしい。
数千年後に転生したのも飛びすぎ。100年も経てば文明なんて完全に入れ替わるわけで、千年でもなく数千年先に飛ぶのはやりすぎである。

これ以外にも原作由来なのかアニメだけなのか分からないが、数字の選び方が絶望的にセンスがない。

 

 


加えてザリディアスの強さ(弱さ)。主人公が前世で封印したのがちょうどタイミングよく復活するのは物語上良しとしても、いかにも主人公より強そうで転生した主人公でも勝てなさそうに引っ張ってきたのに最終話であっさり倒したのは萎えた。
しかもこの主人公、現世では特に強くなるための努力をしていない。魔法が低レベルになった世界で無双しただけで、武器も前世の自分が作ったもの。
これでは前世から強くなってないだろう。
それに、主人公だけ前世の強さを引き継いで人生2周目してるんだからそりゃ強いでしょ。
魔族の狙いもよく分からないし、倒される役目だけ持った雑な敵だったのも残念ポイント。
敵にも敵なりの正義とか目的とかがないと物語に深みは出ない。

 

挙句の果てに、絆の力(笑)でザリディアスを倒したら今度は「もっと強い敵がこの世界にはまだいるかも」と来た。原作者、その場しのぎで原稿書いてない?

ということで失格紋の最強賢者、駄作とは言わないまでも、残念ながら凡作だった。