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たまには長文を

進化の実~知らないうちに勝ち組人生~感想

良いところは良いが、悪いところが悪すぎてかなり残念な作品だった。
レーダーチャートにしたらいびつな形になるタイプ。

(以下ネタバレあり)

メインヒロインがゴリラというニッチな設定は流石に見たことがない。
それ以外は主人公がチートの最強キャラなほか、なろう系らしくいわゆる「どこかで見た設定」で構成される。

先に良いところから挙げる。
まずは音楽。南條愛乃が歌うOPとバンドリのPoppin'Partyが歌うEDはどちらも爽快で耳に残る良い曲だった。
そしてキャスティング。端役にも一流声優を揃える謎すぎる起用。普段ならテンションが上がるところだが、本作に限ってはストーリーと作画のレベルが壊滅的に低いが故に起用された一流声優たちが怒っていないか不安になるばかりだ。

ストーリー展開と作画に関しては、制作陣には申し訳ないけど「酷い」の一言。ストーリーは起承転結が一本の線で繋がってない。毎回会話の流れを無視して大量に投入されるギャグは笑いどころなのかもしれないけれど、見ている方としては「??」としか思えなかった。


作画も下書きに色付けてなんとか納品した様子。止め絵や背景だけのカットが多数。 そして何よりストーリーと作画が合ってない



酷評で終わっても悪いので、多角的に分析してみよう。
原作のなろう系小説は2014年から始まって現時点で13巻、漫画版も7巻出ている。つまり原作の人気はそれなりにあるのだろう。主人公はチート体質になり物語早々に無敵の最強キャラになってしまっているように見えるが、学校編に進んでストーリーがさらに広がっていくのかもしれない。
だとすると本作はアニメ制作会社かスタッフ、あるいはその両方で大外れを引いてしまったのだろうか。もしそうならばあまりに不憫すぎて同情を禁じ得ない。