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たまには長文を

のんのんびより のんすとっぷ感想

変わり映えのない田舎暮らしでも確かに時間は平等に進んでいて、卓の卒業やれんげたちの進級を描いて物語は綺麗に幕を閉じた。この第3期のサブタイトル・のんすとっぷに込められた思いをしっかりと受け取った。

(以下ネタバレあり)

 

終盤まではこれまでのようにのんびりしつつもどこかシュールな日常が描かれる。しおりと出会ってお姉さんになっていくれんげや、このみとの吹奏楽の練習を通じて人見知りを克服していくあかねの成長が微笑ほほえましい。

作画も安定して良い感じ。


また第11話で楓が飲みすぎて酔っぱらいながら過去を振り返るシーンを見せられると、過去から現在の変化も見られて時の変化が感じられる。

ちょっと気になったのは新たな脚本家の登場。これまでは吉田玲子、志茂文彦、山田由香の3人体制だった。(ちなみにのんのんびより以外でも知ってる脚本家だし3人とも好き。)
ところがこの3期にして第8話と第9話に上座梟という脚本家が参加した。始めてみる名前だったしネットで調べてみてもこれが初めての脚本のようだ。新人だろうか。
そしてその出来はというと……正直第8話はイマイチだった。会話のテンポが悪く、人見知りで空回りするあかねの様子には共感性羞恥を感じて居たたまれなかったし、かと言ってシュールさもないような、違和感のある脚本だった。

自慢じゃないけど本編を見ている最中に脚本家がいつもと違う可能性に気付いていた。

 

もっとも、続く第9話はそこまで悪くなかったし今後に期待したい。そして第10話から吉田玲子脚本に戻ったときの安心感は大きかった。
のんのんびよりみたいな作品で脚本家の違いを感じ取る視聴者が日本にどれだけいるのか分からないが、個人的には結構大きな違いだった。

 

最後は卓の卒業。しおりにも妹が生まれ、変化は小さくとも確実に時間が進んでいくことが描かれて感慨深い。
2013年の第1期から8年。アニメ3期と劇場版を見て、ここにのんのんびよりが完結した。