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たまには長文を

くまクマ熊ベアー感想

ストレスなく楽しめる爽快で痛快な萌えアニメ
異世界に転生したらダサい熊の着ぐるみとチート能力が備わっていた。」この設定だけ見ればあまり期待できなさそうな感じはするが、予想に反して見て良かった。クールの中でも上位に入る。ダークホース、いやダークベアー(言いたいだけ)

(以下ネタバレあり)

 

異世界転生モノでの主人公の目標は二つに大別される。元の世界に戻るか、新たな世界で生きていくかである。本作の場合は後者であった。元の世界に未練はないと語るユナに暗い過去を感じ取ったが、どうやら深読みのし過ぎで単にユナは新たな世界を満喫しているようだ。

幼女に欲情し異世界でも食事にこだわるユナなんて思考がオッサンのようだが、内面が男でも美少女化されば綺麗になるのは大昔からの伝統であろう。
実際、敵を倒すことよりも世界を住みやすく構築することに取り組んでいるのが平和で見ていて心地よい

孤児や遭難者に手を差し伸べる人情味と、単に施すだけでなく仕事や役割を与えて社会の一員に加える展開が真の意味で優しい。もちろん現実社会はこんなに簡単ではないしここまで温かくないのだが、フィクションの中くらい真っ当な社会があっていいじゃないか。

展開は確かにだいぶ都合が良い。魔法は最強。移動は熊、どこでもドアもどきも実装可能。熊はモンスターボールよろしく格納可能。服は汚れず、家は作れる。異世界転生モノで避けて通れない衣食住の問題で、「衣」と「住」を避けたのは原作の設定のオリジナリティだろう。

故にユナの課題は必然的に「食」になる。卵やパン、和食と物語では何度も食材や食事がテーマとして取り上げられた。これは物語の構造上必然の展開で序盤から予想できた
(見てきたアニメが多くなり過ぎて、物語の構造から先の展開がある程度見えてしまっているのは微妙な気持ち)

めでたく第二期の制作が決定。もうあらかたこの世界観の上で見せたかったであろう展開はやってしまったような気もするが、この心地良さの価値は間違いないので機会があれば第二期も見たい。