ゼロ年代のエロゲ原作萌えアニメの"匂い"が随所に感じられる良作。個人期にはめちゃくちゃ刺さった。面白かった。
(以下ネタバレあり)
――その予感は、第1話を見る前から。
恋愛フロップス見始める。HP見た感じ雰囲気がゼロ年代のパッケージっぽいが果たして・・。開始即まーた井澤詩織が人外やってる #恋愛フロップス
— ロブ (@vector_AB) October 30, 2022
そして第1話を見て予感は少しずつ確かなものに。
髪色カラフルヒロインズ(※男含む)が揃って主人公に対して雑に一目惚れしてるし、狂言回し兼情報屋のお気楽系男友達もいるし、コレ俺たちが愛した「ゼロ年代ギャルゲ/エロゲ原作萌えアニメ」なのでは? 2020年代にまだこの手の作品に出会えるなんて(感涙 #恋愛フロップス
— ロブ (@vector_AB) October 31, 2022
序盤はラブコメベース。ヒロインたちは初対面のくせに最初から主人公への好感度MAX。ただの主人公に都合がいいハーレムものかと思いきや、ふとした拍子にヒロインの脳裏に浮かぶデジャヴが緊張感を誘う。
それぞれヒロインには主人公との思い出がありそうな反面、主人公には身に覚えがなさそうなのが謎を呼ぶ。
これ人生やり直してるの主人公かヒロインかどっちだ?? 先が予想できなくて面白い #恋愛フロップス
— ロブ (@vector_AB) November 5, 2022
結論としてはヒロインたちは皆ベースが井澤愛の意識で、世界そのものが虚構であった。愛が脳の病気で若くして亡くなる展開は、最後まで主人公を心配させまいと振舞うところが特に悲しくて胸が締め付けられるようだった。
仮に愛本人の意識でなかったとしても、ベースを引き継いだAIと主人公との間で好意を伝えることができて良かった。
序盤のヒロインたちがありえないほど強引に主人公に迫っていたのも理由があったわけで、仕掛けがうまかった。
元になる意識が一つなので、ハーレムもののようでありながら純愛であるとも解釈できよう。
さて、作中に現れた往年のエロゲ/エロゲ原作萌えアニメのエッセンスも見逃せない。
個人的に一番印象的だったのは第7話。
桜の木がダ・カーポのリスペクトなのは言うまでもないとして、時間が止まったのは『リトルバスターズ!〜Refrain〜』(2013年)を思い出したし、EDでキャラがいなくなるのは『ef - a tale of melodies.』(2018年)のOPで見た演出。
こういうの、ゼロ年代のエロゲ原作萌えアニメを見てきたアニオタに刺さりまくる。
桜の木がダ・カーポのリスペクトなのは自明として、第7話で時間が止まったのは『リトルバスターズ!〜Refrain〜』を思い出したし、EDでキャラがいなくなるのは『ef - a tale of melodies.』のOPで見た演出なんだよな。ゼロ年代のエロゲ原作萌えアニメを見てきたアニオタに刺さりまくる #恋愛フロップス
— ロブ (@vector_AB) January 7, 2023
一方で、30代の私でもこれくらいしか分からなかったとも言える。本作に仕込まれた「元ネタ」をもっと分かる人は果たしてどれくらいいるのだろうか。機会があれば解説を見てみたい。
散りばめられた"元ネタ"の数々、30代の自分でも何割見つけられたかわからない。これ10代20代はもっと分からないんじゃないか。かなりすごいことが行われていたのは察せるかな #恋愛フロップス
— ロブ (@vector_AB) January 7, 2023
シリーズ構成にして全話脚本は安本了。アニメ業界では以前シュタゲに関わったことがあるようだが、それしか情報は見つからなかった。2番目に手掛けた作品でシリーズ構成・全話脚本をやってのけたのであれば本当にすごいことだと思う。
シリーズ構成兼全話脚本の安本了、アニメ業界での実績がほとんど見つからないのだが、それで今回シリーズ構成・全話脚本をやってのけたのならすごい実力 #恋愛フロップス
— ロブ (@vector_AB) January 8, 2023
本作はオリジナルアニメであるものの、AIとか情報工学の用語や描写を2020年代にアップデートした古き良き「エロゲ原作萌えアニメ」そのものだった。
序盤のハーレムラブコメに始まり中盤以降AIの反乱へ。純愛やつらい過去と向き合いそれを乗り越えたあと、最後の最後にまたドタバタとした日常が始まる締め方まで、王道中の王道展開だった。
改めて、2022年にまだこのタイプの作品を見ることができて幸せだった。
恋愛フロップス見終わった。AIとか情報工学の描写を2020年代にアップデートした古き良きエロゲ原作萌えアニメ(のようなオリジナルアニメ)。序盤のハーレムラブコメからAIの反乱を経て純愛、過去を乗り越えたあと、最後の最後にまた日常が始まる締め方まで、王道中の王道展開だった。 #恋愛フロップス
— ロブ (@vector_AB) January 7, 2023