みんな大好きディオメディアの萌えアニメがまた一つ生み出された。コロナ禍に敢えてチョイスしたような原作がディオメディアによって丁寧にアニメ化された。
(以下ネタバレあり)
人を治す系のなろう系。『チート薬師のスローライフ』(2021年)、『聖女の魔力は万能です』(2021年・ディオメディア制作)に続く。最近流行り始めたジャンルなのかもしれない。
設定自体は悪くない。医学レベルが中世?の世界に転生した主人公が、現代医学の知識をフル活用して人々を治すために奮闘する設定。そこに主人公だけの「病巣が見えるチート能力」が合わさって、主人公ファルマの活躍が小気味よく描かれていく。
題材として取り上げられる病気も薬も治療法もリアルにこだわっている。それは医学監修が3人もいることからも読み取れる。あとは視聴者が主人公の特徴とチート能力をフィクションとして受け入れられるかどうかで好みが分かれそう。
私はなろう系と割り切っているのでほとんど違和感なく楽しめた。唯一引っかかったのは、主人公が化学式と構造を知っていれば「対価なし」で無限に薬を生み出せることくらいか。せめて材料だけは必要だとか、ものすごく疲れるといった対価があればもっとリアリティがあったかも。
化学式と構造を知っている薬なら対価なし(?)で無制限に作れるという設定はまぁなろう感あって分かるんだけど、苦労してその薬を開発した世界線が消えてるんだよね #異世界薬局
— ロブ (@vector_AB) August 4, 2022
あと雑感をいくつか。
影がない設定、最初はドキッとしたけどその後は特に騒がれるわけでもなく死に設定になったかな。そもそもファルマは途中から薬神であることを隠さなくなったし。
リアルさを追求することのトレードオフとして、教科書を読んでいるような「勉強感」もあったと言えばあった。それだけにファルマの薬神の能力が浮いてしまう。さりとて病気をフィクションに寄せると作品としての説得力がなくなるし、非常に悩ましいところ。多分本作が最適解なのだろう。
ストーリー展開決して悪くはないんだけど、黒死病という実在する病気を扱っているリアリティを出すためか、単調で教科書を読んでいるような感じ。空飛んで移動したり氷の壁作ったりしても本筋に影響しないし #異世界薬局
— ロブ (@vector_AB) September 19, 2022
薬神にしか触れない「薬神杖」、誰がどうやって保管していてどうやってファルマのもとまで運んできたんですかねぇ?(名推理)
人の手には触れられない杖をどうやって運んできたんですかねぇー?(推理パズル #異世界薬局
— ロブ (@vector_AB) August 30, 2022
主人公ファルマを演じた豊崎愛生の演技力はすごかった。言われても気づかないレベルの自然さだった。
豊崎愛生の少年ボイス、言われても気づかないしいつからこんなに演技力の幅が広がったんだ? #異世界薬局
— ロブ (@vector_AB) August 11, 2022
全体的には満足。1クールに一つはこういう丁寧で手堅い作品が欲しい。
異世界薬局見終わった。科学に基づいた薬による治療が作品としての売りだったのに、最後は物理で殴って魔法で浄化。まぁリアルに固執していたらただの学習教材になっちゃうから仕方ないんだけど。ただ俺の好きなディオメディアの萌えアニメそのもので満足。豊崎愛生の演技力もすごかった。 #異世界薬局
— ロブ (@vector_AB) October 8, 2022