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たまには長文を

咲う アルスノトリア すんっ!感想

とことん「何もない」を追求したというか、変化のない平和の尊さをたっぷり見せたというか・・。

(以下ネタバレあり)

 

ヒロインたちが淑女のたしなみを身に着けようと勉強しながら日々お茶とお菓子を満喫する日常の裏で、騎士たちは殺し合いをしていた。
そしてこれらのキャラは最後まで接触しなかった――。

「以上が本作の全てです。」
そう言い切って差し替えないだろう。

全12話の中でたまに思わせぶりな「Warning」の警告が出ると、謎の男たちが生々しい殺し合いを繰り広げた。流れる血の作画は粘度が高く、決してギャグ調お遊びの殺し合いではなかった。
彼らの立ち位置と目的は何なのか、そして彼らはヒロイン側とどのように接触するのか。
そんな疑問が、ヒロインたちが平和な日常を送るストーリーに対して程よいアクセントとなり、なんとなく漂う不穏な空気に惹き込まれた。

 


しかしその期待は拍子抜けに終わる。
散々引っ張っておいて騎士団とヒロイン組は最後まで接触することはなく、ヒロインたちは平和な日常のままに物語は幕を閉じた。

 

多くの人がツッコんでいるように、騎士団と接触しないなら最初から不要だった説に賛同したくなる。
まぁ必要があって(少なくとも制作陣は必要があると考えて)ストーリーに組み込んだわけだから、そこは尊重しないといけない。原作未プレイの私のようなアニメ組が一方的に要・不要を言うのも無責任だとは思う。
とは言っても、あれだけ匂わせていたならやっぱり何か接点を見せてもらわないと消化不良だと思う。

これ原作組は納得の出来だったのだろうか‥?
販促アニメと割り切るにしても、この作品を12話見て原作に興味を持つとも思えないが‥。

最後に一つだけ。
EDの「With you」は本当に良かった。不思議な世界観にマッチしていて何度も聞いた。この曲は今期No.1だった。