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たまには長文を

ラブライブ!スーパースター!!2期感想

ステージパートのCGの完成度は2022年現在でNo.1だと思う。もはや本気の手描きと遜色なく見分けるのも困難なレベルに到達した。
ストーリーは衝撃のラストが話題となったが、昔から花田脚本を追ってきた私としては予想通りだったのでその辺も書く。

(以下ネタバレあり)

 

【簡単なあらすじ】
年度が替わって新入生4人を迎え入れ、かのんたちは再び優勝を目指して練習する。4人は先輩5人との差を感じ、足手まといにならないかと自問自答する。しかし9人で勝ち上がる目標の下でリエラは一つになった。中盤、自信家で高圧的なマルガレーテが現れ前回地区優勝のサニーパッションを破る。それでもリエラはマルガレーテを抑え東京大会で優勝した。
その後かのんに海外留学の話が持ち上がる。歌を極めるため海外留学するかリエラでの活動を取るか悩んだかのんは一度リエラに傾きつつも、千砂都やみんなに後押しされて海外留学を決意する。そしてリエラは全国大会で優勝し日本一になった。全国優勝の余韻に浸りつついよいよ海外留学の出発を間近に控えたかのんの元に現れたのは結ヶ丘の制服を着たマルガレーテ。マルガレーテはかのんに海外留学の中止を伝えたのだった――。

スーパースター1期に関してはメインキャラが5人だったからこそバランスよくまとまったと思っていた。だから2期で9人になることに関しては私の中で半々だった。すなわち、2期から9人にすれば新キャラ4人の一人一人の深堀りもできそうという期待が半分と、結局これも9人になるのかというやれやれ感が半分である。

まぁ他のコンテンツとのバランスを考えると9人にするのが良いという判断だったのだろう。結果的にまた個性豊かな9人が揃ったわけなので、これはこれで良いと思う。

 

このpostの後半部分が今回ドンピシャで予想的中した部分。それは最後に。


良かったところはなんと言ってもCGのクオリティ。手描きと区別がつかなかった。加えて単に綺麗なだけでなく「経験の差からダンスが揃わないところ」も細かく表現していた。視聴者もよく見ていないと気づかなかったと思う。細部へのこだわりが感じられる。

 


それから中盤のストーリーも良かった。
新1年生4人の悩みが共感できる。結果を残して注目されている世代の次の学年なわけで、加入に尻込みしたり実力差を感じて居たたまれなくなる気持ちはよく分かる。「気にしなくていい」とか「一緒に頑張ろう」とか言われたところで、「自分が足を引っ張っているんじゃないか」と不安になるのは自然な反応だし、もし自分がそのような状況になったら同じように悩むと思う。悩みや葛藤を丁寧に引き出す展開は見ごたえがあって、歴代シリーズの中でもリアリティのある心理描写だと思った。

キラリと光る脚本を褒めた一方で本作の脚本は全話花田十輝。ストーリーは細かいところでツッコミどころ多数。

 

 


そして終盤またしても海外留学。本当に海外留学を使って人間関係を変化させようとするの好きだよね。虹ヶ咲2期では歩夢が短期とはいえ何度目かの正直で実際に海外留学したわけなので、留学ネタはもう終わりにしても良かったんじゃないか‥。

私はこれまでの経験から、人間関係を壊し(かけ)て元に戻すの花田脚本の伝統芸能だと思っている。その特徴が色濃く出たのが以下の3作品である。
「H2O -FOOTPRINTS IN THE SAND-」(2008年)
中二病でも恋がしたい!1期」(2013年)
ラブライブ1期」(20年)

H2Oの精霊会議、今の若者は知らないだろうけど知らない方が幸せだと思うしここでは書かないことにする。
本作もまた花田脚本の特徴が前面に出た構成だったと思う。個人的にはズバリ予想通りだった。

マルガレーテが雰囲気以上に"小物"だったところとか、全国大会をバッサリ省略して全国No.1に輝いたところとか、全体の構成に対してもツッコミどころはある。そんな中で最後に3期制作の告知がなされた。全国優勝までの最後の過程を完全に飛ばしておいて、一体3期で何をやるのだろうか。

 

[1期の記事]

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