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たまには長文を

シャインポスト感想

ストーリーが良かった。曲も良かった。作画も良かった。近年乱立するアイドルモノの中でもトップクラスの完成度と言ってよい。

(以下ネタバレあり)

 

まずストーリーが骨太だった。人気が出ず解散の危機にあったTiNgSが地道な路上チケット売りからスタートし、それぞれが自分の短所と向き合って苦手を克服していく様子が印象的だった。TiNgSがTINGSになるシーンもカッコよかった。

そしてストーリー展開の伏線回収がうまい。ゆきもじの二人が別行動していた理由が明かされるシーンは本当に衝撃だったし、春の本来のレベルが圧倒的に高いことも中盤までうまく隠されていた。たしかによくよく思い返すと、レッスンでもランニングでも春だけは息を乱すこともなくメニューをこなしていた。
ステージパートでも春だけはほとんど汗もかかず息も上がっていなかったのである。作画班もしっかり設定を理解した上で描いていることがよく分かるポイントであった。

 

 

 

マネージャーの「人が嘘をつくと光って見える」のも決して非現実的な特殊能力ではなく、人並外れた洞察力が為せる技だと言えよう。動揺している人のちょっとした仕草から嘘が分かる描写を少しアニメ調にしただけである。

そして楽曲も良かった。
特に第6話EDの「Yellow Rose」は夏吉ゆうこ起用の理由がよく分かる名曲だった。あとは一瞬流れた挿入歌の「TOKYO WATASHI COLLECTION」、アニメ本編でやってないけど「Life goes on!」も好き。

 

第2話視聴時点での予想通り、かなりの良作だった。

キャラづくりも癖があるようでいて、重要シーンで戻るのもギャップ萌え。


この完成度なら2クールでも良かったかもしれない。でも1クールだからこそこの疾走感が得られたのかもしれないし悩ましい。ラストは第1話のプロローグを思い出す締め方で見事だった。
脚本良し、作画良し、音楽良しのハイレベル作品だった。