爽やかなストーリー展開に加えて、見ていて心配になるほど丁寧な作画が心地良い、ハイクオリティな作品だった。
(以下ネタバレあり)
原作と脚本・都築真紀、監督・西村純二、制作・Seven Arcs。そして「美少女キャラが健全にスポーツもライブも楽しむ」というコンセプトは『DOG DAYS』(2011年、2012年、2015年)のリバイバル。とりわけ第1期は10年以上前と大変懐かしい。
物語の設定("設計"と言ってもよい)が絶妙だ。
舞台は2048年。身体能力が一時的に強化される「エクストリームギア」と呼ばれる装備を使って行う「ハイパースポーツ」が人気の世界。
ダイナミックなプレーが目を引く一方で、試合ごとに異なる種目になるのでマンネリ化を回避している。様々なスポーツでトリッキーなシーンを描けるのも1話30分のアニメ向きな設定と言えよう。
競技に足りない人数はロボットを使うところも合理的な設定。メイン級のキャラをたくさん作るのは大変だし、競技によって余るのも避けたい。そんな制約をまとめて解決し、序盤から大会本番を迎えている。通常の作品なら競技に必要なメンバーを揃える展開だけで序盤の数話を使ってしまうだろう。まったく恐ろしく合理的な設定である。
学校のシーンは序盤にほんの少しだけ見せただけで、主人公以外のキャラは外から集めてくるのも良い。そうすれば学校のシーンはもう見せなくても違和感がない。
ライブパートはとことん手描きにこだわったのだろう。CGが当たり前の時代に手描きの意地を見た。偶然にも同時期放送のラブライブ!スーパースター2期のステージパートのCGは完全に手描きレベルに到達していたことから、対比がより強く感じられた。
戦った別チームとも仲良くなっていく展開も大好き。あくまでチームが別だっただけで「敵」ではないのである。この辺もDOG DAYSを思い出す。
最終話、
野口瑠璃子の演技力の高さには前から注目していたけど、泣きながら歌う演技すごい #エクハ
— ロブ (@vector_AB) October 6, 2022
ギアを使用したスタイリッシュスポーツモノにアイドル要素を混ぜ、決勝戦はスポ根度が高く、それでいてフィナーレは無償レンタルのロボットだったノノを正式に買い取るという人情味溢れる心温まるシーン。
これだけの振れ幅を違和感なく繋ぎ合わせた構成と脚本が改めてすごいし、作画も丁寧でまったく非の打ちどころがなかった。
どこを見ても完成度の高い良作だった。
Extreme Hearts見終わった。女の子がいろんなスポーツを楽しみつつライブもやるという毒のない爽やかなストーリー展開に、スポーツパートもステージパートもありったけの労力を注ぎ込んだ作画が見事にシンクロしていた。手描きの意地を見た。対戦相手のキャラが使い捨てじゃないのも良かった。 #エクハ
— ロブ (@vector_AB) October 6, 2022