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たまには長文を

現実主義勇者の王国再建記第二部感想

しっかり練られた脚本が光る良作。原作者もアニメスタッフも両方すごい。

(以下ネタバレあり)

 

大枠として主人公/国王を支持する国民が多く、国が発展していく様子が爽快。
そして改革を進め既得権にメスを入れる過程で貴族から恨みを買うなど反乱分子の抵抗もリアリティがあった。

まぁ第二部では少しネタ切れ感も出てきて無理やり君主論の乗せようとして窮屈になった感触もあったが、キャラが増えても破綻させずに繋げていく点は良かった。

 

 

作画は「安定」の一言に尽きる。会話劇で派手なアクションシーンもないため画面はほぼ静止画で構成される。ともすれば「紙芝居」と揶揄されそうな作風なのだが、むしろ開き直って紙芝居を作ったのだろう。画面が動かない分会話に集中できた。そしてそれ故に低カロリーで終始丁寧な作画だった。
(余談だが、会話劇で紙芝居を回避しようとすると「化物語」(2009年他)のようにひたすら構図を動かしたりキャラの台詞を文字で書いてみたりと画面がせわしなくなる。)


最終第26話の前国王との会話は予想外の展開で第二部で一番見入った。
人生をやり直したのは前国王の方だったのか――。


各自ができることをすれば国は発展する」という当たり前のようでなかなか実現しない理想がほどよくコミカルに、ほどよくリアリティを持って描かれたと思う。