メインキャラ16人がそれぞれの方向性で成長していくストーリーは私が大好きな群像劇のようで、2クール24話たっぷり味わった。
(以下ネタバレあり)
キャラは16人と多め。4人×4チームにしてうまく回したと思う。
放送開始当初は声優の演技力の低さがどうしても目についた。
ヒロイン16人か。基本的にキャラが多いアニメは好きなのでハマれば好きになりそう。浦畑達彦脚本なのも期待できる。ただ声優の演技がいま一つなのがやや不安。実力ある声優が棒読みを演じるのと本当に棒読みなのは違うわけで。放送開始前に原作のソシャゲが死んでる。そしてこれ2クール予定か #キュー
— ロブ (@vector_AB) January 19, 2022
しかしその後はむしろストーリーのキツさに戸惑った。以下はその一例。
第6話の脚本なんなんだ……? 絢は18歳設定とは思えないくらい捨て猫に固執しすぎ。精神年齢9歳くらいだろこれ……。本来の飼い主もなんか非常識で失礼だし。冒頭の謎の赤い風船も不気味だし。でもいつも通り浦畑達彦脚本なんだよな。意味わからん、本当に本人が書いたのか #キュー
— ロブ (@vector_AB) February 13, 2022
毎日同じ時間に同じものを食べないと気が済まず、対人関係に問題があるキャラ……、いくらキャラ付けでも公式ASD設定はキツいわ #キュー
— ロブ (@vector_AB) April 14, 2022
なんだろう、まほろが過去の自分と向き合う良いストーリーなはずなのに、たった一人のためにタイムカプセルを地中深くに埋め直したサイコパス脚本のせいで感動が頭に入ってこない #キュー
— ロブ (@vector_AB) May 2, 2022
ストーリーが悪かった、と書かずに「戸惑った」と書いたのには私なりの理由がある。シリーズ構成兼多くの回で脚本を務めた浦畑達彦は業界に30年以上いる大ベテラン。シリーズ構成を務めた作品も多い。
個人的には咲-saki-(2009年)から注目していて、Aチャンネル(2011年)や俺修羅(2013年)、ブラック・ブレット(2014年)などが特に印象に残っている。他にも見た作品が多数ある。
そんな浦畑達彦だからこそ期待していたし、まさか(支離滅裂とまでは言わないが)見ていてキツさが勝る脚本を何度も見せられるとは思っていなかった。そういう意味で戸惑った。
もちろん良い時もあった。
まだ放送されてない回の台詞を喫茶店とかレストランで言っちゃうあたり、まだこの子たちもプロじゃないというか、サブタイトルの通り「声優のタマゴ」であることが間接的に描かれているね #キュー
— ロブ (@vector_AB) March 27, 2022
あとは土田霞脚本回。全く意識していなかったのに「いつもと違う人が書いた」ことは無意識に確信した。調べてもキャリアも出てこないし本当に何者なんだろう。
第18話に続いて第19話もめっちゃ良い話だった。脚本は土田霞の二連投。他の回と全然違うんだよな。本当に土田霞って何者なんだ? #キュー
— ロブ (@vector_AB) May 22, 2022
また中盤から終盤にかけて気になった点がある。
それは声優として目指す方向性である。
もともとこの作品は「声優のタマゴが一人前の声優を目指すストーリー」だったはず。それがいつのまにか「16人揃ってライブで歌って踊ること」がゴールになっていた。
なんか急にアイドルアニメになってないかと思った。
実際序盤でも次の台詞があり、奇しくも私は書き残していた。
>歌ったり踊ったりって声優の仕事なのかなぁ
— ロブ (@vector_AB) January 24, 2022
俺も常々そう思っていた。いいぞもっとやれもっと言え #キュー
確かに16人でライブした展開は良かったし、よく成長したなとは思った。一方で昨今の声優業界が「歌って踊れてトークもうまい」ことが殊更に重視されている現状が見えて複雑な気分になった。
それでも最終回では各キャラの「声優としての」成長がはっきりと描かれていて見て良かったと思った。
楽曲では第18話挿入歌の「LUNΛ Labyrinth」がイチオシ。シンフォニックメタル。歌パートの作画もCGと手描きをうまくミックスさせ、手が込んでいて良かった。
CUE!見終わった。キャラが多くて良かった。声優のタマゴが一人前の声優を目指すストーリーだったはずなのに終盤で16人揃ってライブして「成し遂げた」みたいな空気になってたが、最後はちゃんと声優としての実力にフォーカスしていて安心した。 #キュー
— ロブ (@vector_AB) July 1, 2022