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たまには長文を

CUE!感想

メインキャラ16人がそれぞれの方向性で成長していくストーリーは私が大好きな群像劇のようで、2クール24話たっぷり味わった。

(以下ネタバレあり)

 

キャラは16人と多め。4人×4チームにしてうまく回したと思う。

放送開始当初は声優の演技力の低さがどうしても目についた。

 

しかしその後はむしろストーリーのキツさに戸惑った。以下はその一例。

 

ストーリーが悪かった、と書かずに「戸惑った」と書いたのには私なりの理由がある。シリーズ構成兼多くの回で脚本を務めた浦畑達彦は業界に30年以上いる大ベテラン。シリーズ構成を務めた作品も多い。
個人的には咲-saki-(2009年)から注目していて、Aチャンネル(2011年)や俺修羅(2013年)、ブラック・ブレット(2014年)などが特に印象に残っている。他にも見た作品が多数ある。

そんな浦畑達彦だからこそ期待していたし、まさか(支離滅裂とまでは言わないが)見ていてキツさが勝る脚本を何度も見せられるとは思っていなかった。そういう意味で戸惑った。

もちろん良い時もあった。

 

あとは土田霞脚本回。全く意識していなかったのに「いつもと違う人が書いた」ことは無意識に確信した。調べてもキャリアも出てこないし本当に何者なんだろう。

 

 


また中盤から終盤にかけて気になった点がある。
それは声優として目指す方向性である。

もともとこの作品は「声優のタマゴが一人前の声優を目指すストーリー」だったはず。それがいつのまにか「16人揃ってライブで歌って踊ること」がゴールになっていた。
なんか急にアイドルアニメになってないかと思った。

実際序盤でも次の台詞があり、奇しくも私は書き残していた。

 

確かに16人でライブした展開は良かったし、よく成長したなとは思った。一方で昨今の声優業界が「歌って踊れてトークもうまい」ことが殊更に重視されている現状が見えて複雑な気分になった。

それでも最終回では各キャラの「声優としての」成長がはっきりと描かれていて見て良かったと思った。

楽曲では第18話挿入歌の「LUNΛ Labyrinth」がイチオシ。シンフォニックメタル。歌パートの作画もCGと手描きをうまくミックスさせ、手が込んでいて良かった。