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たまには長文を

アイドルマスター ミリオンライブ!感想

全編フルCGだからこそできる圧巻のステージパートは必見。

(以下ネタバレあり)

 

「歌って踊るアイドルたちをたくさん見せたい」というこだわりはOPからもう伝わってくる。サビ前までに監督まで全部のクレジットを表示させてしまって、サビ以降は1文字も出さない。これにより(私のようなスタッフ確認ガチ勢も)OPアニメーションを純度100%で見ることになる。

かといって短時間で強引にスタッフの名前を消化しているわけでもなく、部分的にテロップを最上位レイヤに置かないことでむしろちょっとした違和感を引き出し、思わずそこにも着目するような仕掛けもあった。
事例は少ないながらたまに見る工夫である。


個人的に一番好きなのは第9話。
それぞれのキャラが自分自身と向き合って成長する王道展開に合わせて流れたのはまさかの「READY!!」。『THE IDOLM@STER』(2011年)を思い出して非常に興奮した。

 

それと機器故障で音が消えたところをアカペラで乗り切る展開も、そのときに他ならぬ千早が「止まらないで」と声をかけるところも含めて2011年のアイマスの第21話を思い出して感動した。

 

 

一方でCG特有の短所もあった。その最たるは「髪」だろう。
本作のCGはかなり手描きに近いクオリティではあったが、まだ髪型というヘルメットをかぶっているようだった。
本番を控えて劇場で合宿した第11話、髪を結ったまま寝るキャラたちの作画にはどうしても違和感があった。
おそらく予算が時間の制約でCGモデルをこれ以上チューニングできなかったのだろう。
この点は制作スタッフにとっても大きな課題の一つだったと予想している。その証拠に髪型がダイナミックなキャラだけが横になっていなかった。座っておしゃべりをしていたり何か寝ないで違うことをしていた。

こういうシーンでいつもと髪型が違うのがかわいいのに。(強調)

 


全体としてはアイドル39人をバランスよく描いたなという感想。
監督はアイカツスターズの映画監督も務めた綿田慎也、シリーズ構成はアイカツのシリーズ構成もやっていた(誰もがご存知の)加藤陽一である。あまりに強すぎるタッグだったし、期待通り、いや期待以上の完成度と満足度だった。