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たまには長文を

私の百合はお仕事です!感想

一見キラキラふわふわな百合展開に見せかけて、今にも殺し合いが始まりそうなピリピリした緊張感が漂う独特な作品だった。個人的にはかなり好き。

(以下ネタバレあり)

 

【イントロ】
主人公・陽芽ひめは天性の外面そとづらの良さを活かして誰からも好かれる生活を送ってきた。しかしウソはバレるもので、小学生の時点で嘘つきであることが周囲にバレてしまう――。


まず陽芽の声優に小倉唯を起用したのが良い。
か弱そうに見えて腹黒なキャラクターのCVとしてドンピシャなハマり役。

もともと百合は好きだった。大学時代は下調べもせずに百合コミックスを買い漁っていたことを思い出す。


個人的に、人間関係が複雑で物語の進行とともに変化していくストーリーが大好きなので、この作品は非常に好み。
陽芽と果乃子かのこの関係から始まり(※百合ではなく果乃子から陽芽に対する一方的な好意だが)、美月みつきの過去が明かされ、そしてそこに傍観者に徹すると思っていた純加すみかが果乃子相手に寄って来る。
終盤、計算含みとはいえ純加と果乃子がくっつくのは完全に予想外だった。

ここまで人間関係を揺さぶるストーリーは数年に一度お目にかかれるかどうか。見進めるのもなかなかしんどいのだが、それを乗り越えるだけの価値がある。


監督のさんぺい聖はどちらかというと絵コンテから演出寄りの方。ストーリーはシリーズ構成のハヤシナオキが手掛けたか。ハヤシナオキと言えば、アニメ界での実績は少ないながらもひぐらし業(2020年)とひぐらし卒(2021年)が記憶に新しく、かつての名作をいまに引き継いだ人として名前は憶えていた。実際、ひぐらしを彷彿とさせるどこかピリピリした緊張感は圧巻だった。

 


この緊張感の一方で、百合アニメであることには間違いないのだから感心するばかりである。有名すぎるテンプレ「まつ毛、長っ・・!」も後半で回収したし。

 

総じて、好きという気持ちが交錯して人間関係がどんどん変わっていくストーリーがめちゃくちゃ面白かった。文句なしの良作。