change direction

たまには長文を

魔法少女マジカルデストロイヤーズ感想

前衛的アバンギャルドな作風が印象的。

(以下ネタバレあり)

 

監督博史池畠、副監督川瀬まさおは『キラッとプリ☆チャン』の布陣。3年間プリティシリーズの一角を
担う作品を作ってきたコンビが何を見せるのか、非常に興味を持っていた。

全体的にはパロディ多めでの進行だった。
オタクが迫害されている舞台設定と赤髪のメインキャラをファイルーズあいが演じるのは『逆転世界ノ電池少女』(2021年)だし、強力な組織に社会を支配されている構図は『キルラキル』(2013年)を初めてとしていろいろな作品が思い浮かぶところである。

実態としては「劇中劇」と言うべきだろう。
最終盤に至るまでのストーリー展開は黒幕・SHOBONショボン書いたシナリオの通りであった。

しかしながらこのSHOBON、かつてはゲーム制作をしていたものの周囲から評価されず、そのうちに自らを正しく評価できない社会の方が間違っていると開き直っている設定だった。まるでどこぞの自称アニメ監督みたいだな‥

これが黒幕が作ったつまらないストーリーと言われれば、なるほど主人公の名前が「オタクヒーロー」という絶妙にダサいネーミングなのも頷ける。

ヒーローと言えば、最近『ぼっち・ざ・ろっく』で後藤ひとりはギターヒーローを名乗っていたなと思い出す。
ヒーローという単語がどこか絶妙にダサいネーミングセンスとして使われているようだ。

結局のところ、面白いかと聞かれると正直微妙だった。
オタク迫害を打ち返す爽快ストーリーでもなければ、世界の真実に触れただけでひっくり返すわけでもなくまだ続きがあるような思わせぶりなエンディングだったからだ。


敢えて一つ「学び」があるとすれば、
「誰かを見返したい」みたいな動機で作られた物はつまらない
ということだろう。