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たまには長文を

IDOLY PRIDE感想

物語の核心は思わずハッとさせられた。長瀬麻奈がなぜ幽霊として航平の元に戻ってきたのか納得の理由だった。QP:flapperのキャラデザはいつ見ても可愛い。

(以下ネタバレあり)

 

麻奈が航平を好きで、一緒にいるためにマネージャーを打診し自身はアイドルとして活躍することを目指す。なるほど高校生の麻奈が唐突に航平を誘ったのが分かる納得の理由である。

アイドルものに幽霊を混ぜるのは独創的で面白い。そして幽霊になった理由も表向きはアイドルへの未練みたいな雰囲気だったのですっかり騙された(良い意味で)。この最終回を見ることができただけでも本作を最後まで見てきた甲斐があった

楽曲も良曲揃いだった気がする。ライバル側のTRINITYAiLEはTrySailだしLizNoirはスフィア。1回しか流れないのが残念なくらいだった。

一方で楽曲の良さにストーリーの作り込みが追い付いていないのが少し残念。各キャラの掘り下げとか成長過程を見たかった。メインキャラ以外の印象があまり残っていない。

もっともIDOLY PRIDEはメディアミックスコンテンツでありアニメありきではないので、キャラが多いのも仕方がない側面はある。むしろ個人的にはキャラが多い作品は好きなので、キャラの多さ自体は短所にならないはずである。
それでもキャラ一人一人に充分スポットライトが当たらなかったのはどうしても航平と麻奈、そして琴乃の関係に時間を割く必要があるからで、これはスタッフ陣を責められないだろう

ちょっと残念だったのはAI判定という設定である。どちらのアイドルのステージが優れていたかをAIが自動判定するとはなるほど現代らしい新しい設定だが、アイドルの価値をAI判定することに見ている観客は納得しているのだろうか。
まぁ投票形式だと結局知名度勝負みたいなところもあるし、それなりの根拠が伴う自動判定なら良さそうな気もする。
ただ決勝が同点引き分け優勝なのは正直冷めた。いくらストーリーの都合上仕方ないとしても引き分けは面白くない。

総括としてはストーリー作りの苦労が見える作品だった。
麻奈について掘り下げたい。キャラは多く出したい。ライバルユニットも出したい。ライブシーンもやりたい。グランプリは優勝させる。
そんな要素を全12話に何とか詰め込むのは大変だっただろうし、何かを削っても物語として成立しないと思うので、これがギリギリのバランスだったのだろう。