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たまには長文を

アイカツフレンズ!終了の発表を受けて

2019年8月17日、とあるニュースがネットを駆け巡った。
アニメ・アイカツの新シリーズ「アイカツオンパレード!」が2019年10月より放送開始となることが発表されたのである。
しかしそれは同時に「アイカツフレンズ!」の終了を意味しているものでもあった。

 


実はこの情報、先日から目に入ってはいた。
ただ数人がTwitterに書き込んでいたレベルで根拠に乏しく、4月に始まったアイカツフレンズの2年目がたった半年で終了することに信憑性を感じられずスルーしていた。

結果としてこの噂は正しかったわけだが、しかしながら冷静に考えればこの結末は妥当と言わざるを得ない。

本作に対する違和感を改めて整理してみよう。

 

二人一組に縛られ過ぎてストーリー展開が窮屈
1年目の序盤、フレンズが結成されていない頃は面白かったが、それ故に感動のピークは「フレンズ結成」になってしまった。それ以後は二人一組でいることが暗黙の前提条件になり、毎回ストーリー展開が窮屈そうだった。脚本家の方々も苦労したことと思う。フレンズはフレンズとして、もっと各キャラクターに焦点を当てて掘り下げていってもよかったのに。
逆にシャッフル回は普段と違う組み合わせが見られて爽快で楽しかったが1発ネタに終わってしまって残念だった。

みおのキャラ設定
もともとトップレベルのアイドルだったはずなのにフレンズがいない孤独感を強調し過ぎたのか、あいねがいないと人の輪に入ることもままならない人見知りになってしまっていたし、元から高い実力があることになっているので成長を描きづらくなっている。

エマの年上設定
本作の2年目を迎えるにあたって一人だけ中学3年生だった日向エマは舞花たちと離れて高等部に進学しなければならなかった。それによってハニーキャット自体が解散しなかったとしても、それはそれで彼女たちの濃厚な次の「1年間」があったはずなのだ。ところがスタッフ陣が取った選択は(散々検討したこととは思うが)1年スキップという強烈な力業ちからわざだった。
『一年後』というテロップをってあいねたちの1年間はバッサリ省略され、高校1年生になった。しかし内面が変わっていないのに年齢だけ上がって高校生なのはどうしたって無理がある。それならエマだけ年上という設定そのものが不要だった。

ダンスがかわいくない
かわいいかどうかは感覚の話とはいえ、前作・アイカツスターズや現在放送中のキラッとプリチャンのダンスはかわいいのに、アイカツフレンズのダンスはそもそも頭に入ってこない。
これは以前の記事で、推定される原因として
・カメラワークが忙しすぎて振付が分からない
・二人一組なのに仲が良さそうに見えない
・表情が楽しそうじゃない
の3点を挙げている。まぁアイカツフレンズのダンスが好きな人も多いだろうし私もこの点は声高に主張するつもりもない。

スペースアイカツとは何だったのか
本作の2年目が始まるときの触れ込み(キャッチコピー?)を覚えているだろうか?
宇宙から来たアイドル、そしてスペースアイカツである。
これだけ盛大に煽っておきながら実際にはひびきが宇宙(というか空)から登場しただけで、スペースアイカツも謎の無重力空間でトランポリンをするだけだった。
ハニーキャットも宇宙を目指すと宣言した回があったが、この辺もどうにもならず有耶無耶になるんだろうか……。

2年目の目標が曖昧
ピュアパレットは1年目でラブミーティアを超え、ダイヤモンドフレンズになるという目標を達成してしまっている。問題は次の目標が曖昧だったことだ。もちろん「アイドルの一番星になる」が具体的目標かと言われれば難しいし、ヴィーナス・アークのような巨大船をまた持ち出せばよかったとも言えない。傍目には新要素であるジュエルの秘密について掘り下げるのが筋だとは思っていたが、9月末までに描き切るのは無理であろう。

2年目からの新キャラ・春風わかばの処遇
いろいろな記事や公式HPでのPVを見る限り、世界線アイカツフレンズとも地続きであるようだ。
で、あるならば……オンパレードで主人公を演じることになった逢来りんがアイカツフレンズで演じていた春風わかばは一体どうなってしまうのか。
天性の物覚えの良さをミライから見込まれ、いよいよこれから成長していくであろうアイカツフレンズ第二の主人公が半年でその役割を終了してしまうことに対しても哀しさを覚える。
もっとも、わかばのフレンズらしきキャラが現状いないことからスタッフ陣はこの子をどう描いていくつもりだったのかも見えないのだが……。

 

まぁこのまま見ていても今後違和感が解消される見込みがなかったのは事実だし、私たち視聴者も意識を切り替えるべきなのかもしれない。


そしてPVを見ているとそれでもいいかなって思えてくる。
いつまでも私の心で輝き続けるアイドルたちが、再び命を吹き込まれ動いている。嬉しくないわけがないじゃないか。

本来のターゲット層である女児にどう受け止められるかは未知数であるものの、かつてのキャラクターが作品の枠に関係なく集まったらきっとものすごく面白くなる。色々な扉がある描写を見ると、おそらくオムニバス形式のストーリー構成になるだろう。これは前後関係で整合性をそれほど意識しなくてもよくなるから良い選択である。

 

なんだかんだ言ってもアイカツフレンズの楽しい雰囲気は好きだし曲も良曲が多かった。第1話から欠かさず見てきたくらい「好き」ではある。この辺の話は最終回を見てから別途書くことにしよう。

 

次期作へ期待しつつ、アイカツフレンズが残された期間でどう物語を収束させるのかしっかり見届けたい。