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たまには長文を

アイカツフレンズに抱くもう一つの違和感について

放送開始当初から面白さと楽しさを両立して進んできたキラッと☆プリチャン。女児アニメと侮るなかれ、第40話以降は毎回予想を超えていくストーリー展開が続いて目が離せない。

 
そして悲しきかな、その差が開く一方なのは双璧のもう片方アイカツフレンズ

 

vector-cd.hateblo.jp

 

この時の記事でアイカツフレンズに抱く違和感について書くことにしていたので今回整理したい。

前作・アイカツスターズの虹野ゆめに見た狂気を感じるほどの前向きさ、どれだけ頑張っても「まだ足りない」と言わんばかりの果て無き積極性。
桜庭ローラという、ゆめと同じ花の歌組の一番近くにいるが故に常に敗北を宿命づけられた悲劇のヒロインにして、それでも自分の道を突き進むGoing my way影の主人公。
ゆめの近くにいてはその才能に甘えると敢えて自ら留学を選択した七倉小春。

振り返ってみればアイカツスターズは力強い成長物語だった。
しかし彼女たちの仲が悪かったのかと言えば全くそんなことはない。切磋琢磨という言葉を地でいく王道ストーリーだった。(美化しすぎかな?)

その強烈さがアイカツフレンズには、ない。
かつて見たあのメッセージ性はどこに行ってしまったのかと思うほど薄められている。

そう、アイカツフレンズに抱くもう一つの違和感。
それは、薄いということ。

アイカツフレンズは全編通して各キャラクターの課題を後々まで引っ張らない。割とあっさり解決されてしまう。
ダイヤモンドフレンズになりたい理由とか、キャラの掘り下げとか。
舞花がフェス大好きでお化けが苦手な設定、スタッフは覚えているだろうか。

もちろんこれは制作陣の意図的な方針転換なのかもしれない。「一人では無理でも二人なら乗り越えられる」、切磋琢磨が王道ならこれもまた立派な王道テーマである。
ただできればもう少し展開にバラエティ性が欲しい。
「悩んでいたけれど二人で話していたら解決しました」みたいな回が多くて毎回同じ感じ。特に面白かった回は?と聞かれても答えに悩むのだ。

決して脚本を非難したいわけではない。
というか脚本家も苦しそうな印象がある。
昔どこかの感想で見た「キャラの記号化が著しい」という反応もよく分かる。
フレンズを組んだからにはその二人を絡ませないと違和感が出てしまうのだろうが、特定の二人を絡ませるストーリー展開なんてたかが知れている。1クール作品ならともかく4クールではネタ切れにもなろう。
その煽りを最も喰らっているフレンズこそ、何を隠そうピュアパレットではなかろうか。あいねとみおの"格差婚"によるすれ違いは一度描いたものの、それで解決して終わってしまった。さらにみおが一流だった面影はなくなり、ぼっちだったことだけが妙にフォーカスされている。(みおがかわいそう……)
ピュアパレットはそもそも二人の目標が揃っていない。あいねの友達100万人はみおの目標ではない。そして、みおの目標ってなんだっけ?


「つまらない」という言葉は使いたくない。
その言葉を使うと何かが終わる気がする。

アニメHPは放送2年目へ向けてリニューアルされた。
(CV:日笠のどう見てもエルザフォルテが君臨している)

アイスタでは1年目で大体やり切って2年目はインフレが激しかったのも事実。アイフレではそれを見越して控えめな1年目にしたと信じたい。2年目はさらにキャラクターも増やすからやり方次第でまだ話の幅を広げるチャンスはあると思う。


本当はここからプリチャンが面白いって話を書く予定だったけれどかなり長くなってしまったのでまたの機会に回したい。

時期的に1年目終了の総括になりそうだけどまぁそれでもいいか。