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たまには長文を

このままリスクを取れずに30点くらいの人生を送る

まず、結婚したくない。
私が中学生の頃「熟年離婚」という単語が流行した。中学生には縁遠い言葉だったかもしれないが、妙に心の奥に根付いてしまった。
50歳過ぎて離婚したが故の老後の孤独。慰謝料や養育費という名目で一方的に収入の何割かを会いもしない元妻へ搾取され続けるリスクも気になる。
実際に離婚に至るケースは少ないのかもしれないが、たとえ小さかったとしてもこんなリスクを負ってまで結婚したくない。

 


風俗とかにも行きたくない。
小汚いオッサンどもに散々ねぶられた女体に接触したいとは1ミリも思わない。もし性病なんて移されたら最悪である。
私とて周囲から見ればその小汚いオッサンにカテゴライズされるのだろうし、処女厨とか潔癖症などと揶揄されても構わない。風俗なんかに行くくらいならこのまま童貞でいい。


遡れば小学校低学年の頃からすでにその嫌いはあった。
例えばハミガキの大切さを教わった時に「実は口の中には菌がたくさんいるのです」といったことを聞かされた。科学的には正しいコメントだろう。
しかし妙に賢かった幼少期の私はこの時点で「キスは汚い概念モノ」と理解した。キスシーンに全くときめかないサイコパス誕生の瞬間である。


そういえば29歳になってまだ飛行機に乗ったことがない。
まぁ単に飛行機でどこかに行く機会がなかっただけだけど。
では今の状況ではどうかというと、相変わらず飛行機でどこかに旅行しようとは思わない。もちろん台湾やハワイ辺りならそこそこの費用で行けるし観光スポットに限れば日本語も多少通じることは知識として知ってはいる。
だが海外で犯罪やトラブルに巻き込まれるのが怖いのだ。ましてやパスポートとか両替とか面倒な準備をしてまで行こうとは思わない。コロナも怖いし。


資産運用もそうだ。
恐慌や暴落などが過剰に報道される一方、堅実な投資は資産形成の有効な手段であることも知識としては知っている。
そして頑なに現金(貯金)に固執することそのものがリスクに該当することもなんとなく知っている。
一方で、生半可な知識で手を出せば失敗する先入観イメージも強い。最悪消えてもいいくらいの金額から始めてみようかと思っていないわけではないが、いつかいつかと思いながら足は重い。
どうするんだ?、貯金額がとうとう1000万を超えたぞ。賢く運用していればさらにもう少し増えただろうに。


さて、ものごころついたときに平成不況に突入した私たちの世代は保守的な傾向が強いらしい。私ほど強いかはともかく。
蔑称の文脈で使われがちな"マイルドヤンキー"にしたって、生まれ育った地元で昔ながらの友人関係を維持しながら、同居or近くに住んでいる親のサポートも受けつつ早々に結婚して子育てに進む人生は、(育児放棄してそうなガチの底辺でなければ)ある意味この社会を生きる最適解の一つであろう。なんなら都会で疲弊している高学歴より豊かな人生を送っているかもしれない。(言いすぎか?)

 

度を超したリスク回避志向。

結婚しない人の割合は増え続けているらしいし、海外旅行未経験者だってそこそこいるだろう。私が資産運用や風俗に手を出さなかったとして誰かが困るかと言えば誰も困らない。
何より、私が困らない。

最近は、どうやって平和で穏やかな老後を送ろうか考えてる。


……。
こうして何の冒険もしないまま時間だけが流れていくんだろうなと思いつつ、朝起きて会社に行き帰宅してちょっとアニメ見て寝る、そんな30点くらいの生活をこれからも続けるのです――。