『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』を彷彿とさせる骨のあるストーリー。各キャラの思惑が交錯し形勢がどんどん逆転していく展開が面白かった。
(以下ネタバレあり)
自分の目的のためなら平気で周囲の人間を
それでいて最後は状況を読み切ったジョーロが自分自身を犠牲にしてでも入り組んだ状況を解決するから痛快だ。そこらの「いかにも作られた」主人公よりもよっぽど好感が持てる。全体最適のために自分を犠牲にする主人公って(リアルで倫理的に良いかどうかは置いといて)好き。
メタ発言が多いと冷める方が多いが、本作ではむしろ良いアクセントになっていた。「そういえばそんなこと言ってたな、2話で」と「斉藤朱夏まで裏切った!?」が特に面白かった。
ツバキは「カナカナ」言う話し方がちょっと
細かいところではEDテロップの文字の色を作画に合わせて変化させていた。気づく人も少ないだろうに、こういう微に入り細を穿つこだわりを見ると思わずニヤっとしてしまう。
アニメ公式HPが充実していたのも評価したい。
読み合いとか腹の探り合いみたいなシーンがある作品が大好きなので本作は本当に楽しく見させてもらったのだが、ウィークポイントも2つ挙げたい。
一つ目は終わり方。第12話のラストで「これで終わりじゃねぇ、もうちょっとだけ続くんじゃ」って言ってたからてっきり第13話があるものだと思っていたが、実際には別途OVAを発売するらしい。
収益に繋げたい事情も分かるがこれではアニメとして完結していない。せっかくクールでも随一の面白さだったのに消化不良になってしまって残念。
もう一つはジョーロがパンジーから借りた本がぐちゃぐちゃになった件。私の記憶が正しければこの辺りの経緯が未回収なはずだけど原作的には後で描かれるのだろうか。それなら仕方ないし、これで原作通りなら全くも文句はないが、キーポイントになりそうな雰囲気だったので気になる。
まぁそれでも、最初に書いた通りストーリー展開が面白くて十分楽しめた。見て良かった。