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たまには長文を

プリパラ2ndシーズン感想

2019年12月の1か月限定無料配信を利用して2ndシーズン全51話を見た。

1stシーズン以上に強烈なキャラを追加し「み~んなトモダチ! み~んなアイドル!」のテーマをさらに深めていく2ndシーズンも、期待通り、期待以上の面白さだった。

【以下ネタバレあり】

 

端的に好きなところは、
・対立やすれ違いが最後には解消されること
・高みを目指すため敢えて親しい仲間から離れること
・5人チームのメンバーが毎回違う組み合わせで新鮮なこと
ボクっ娘が2人もいること!

 

セレパラを提唱し一般人をステージから追い出したひびきは2ndシーズンにおける悪役だった。しかしひびきの過去が明らかになると彼女にも同情できる部分が多いことが分かる。1stシーズンの大神田校長の立ち位置である。24.5時間テレビを世界で一人だけ見続けていたのも良い演出だった。
そんなひびきの「ボーカルドールになる」という夢をらぁらたちは阻止しようとする。対立していても嫌ってはいないのがプリパラの良いところ。
そしてここで注目したいのがファルルの感情である。ファルルはひびきもボーカルドールになれば夜間独りぼっちじゃなくなるので嬉しいと語った。この言葉には
・ボーカルドールと言えど一人ぼっちなのは寂しいこと
誰もが反対する意見(夢)にも賛同者がいること
の2点が凝縮されている。
特に2点目は私もハッとさせられた。「ボーカルドールになるのもありだよね、私は嬉しいよ」っていう意見が存在する可能性に思いが至らなかった。
結果としてファルルの意見はふわりによって"説得"させられ立場を変えることになったが、この一連の流れは2ndシーズン全体でも特に印象深い展開だった。

難しい話を抜きに好きなところは5人チームのメンバーが毎回新しくなること。シャッフルは新鮮で楽しかった。欲を言えばなし崩し的に5人決まったからそのメンバーでライブをやるのではなくて、5人の「会話」をもっと見たかった。(期間限定配信のため一気に見たからというのもあるだろうが)いつの回でどの5人がチームだったのかほぼ記憶にない。まぁ尺の都合もあるし仕方ないか。

笑いを取りに行くのも忘れない。「そらみドレッシング」なんてスタイリッシュなユニット名を考えておきながら「そらマゲドン・み」とか「あろまそレ~シ・み」なんてどういう思考回路してたら思いつくのだろう。

楽曲で一番好きなのは第62話で流れた『絶対生命 final show女』。一回しか使われなくて残念。

天才チームVS努力チームを描いたのも深い。「努力は天才に勝るか」というテーマを正面からやってのけたと思う。何より感服したのは努力チームが負けること。努力チームには主人公のらぁらもいたのに、主人公補正などお構いなしに天才チームが勝利する。なかなか書けるシナリオではないと思う。
心折れたみれぃが引退しようとするのもさることながら、第80話でガァルルが失敗を重ねながらもライブをやり切ったのは泣きそうになった。第80話は2ndシーズンで最も好きな回。

最終盤も熱い。セレパラが崩壊しトモダチの概念を忘れたキャラたちの中で、みれぃがらぁらを思い出すきっかけが第1話のやり取り。
第87話にして「らぁみれ」の原点を持ってくるのは最高の一言。

総括すると、プリパラは多様性を認める作品なんだろうと思う。
レオナのような男の子もいればグロリアやらぁらママのような年齢でも受け入れるしボーカルドールのような人間でない存在もいる。地味でもデブでも楽しく過ごせる世界。2ndシーズンの最終話のサブタイトルが「み~んなトモダチ! み~んなアイドル!」だったのも全てがこの一言に収束するからだろう。

2010年代の終わりに大変良いものを見せてもらった。無料配信をしてくれた公式に感謝して2020年を迎えたい。

 

それにしてもらぁらは本当にかわいかったなあ。

 

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