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たまには長文を

放課後さいころ倶楽部感想

原作者のアナログゲームに関する深い理解が感じられる、派手さはないものの心温まる良作。

(以下ネタバレあり)

 

絵柄が一昔前な感じなのは否めないし、展開もやや地味。
それでも、いや、だからこそ丁寧に紡がれる一つ一つの描写が心に沁み渡る。


印象深かったのは主人公・美姫のこの台詞。
「私は昔から遊ぶことがヘタクソで、自分の楽しいが何なのかよく分からへんかった。」
これすごくわかる。
昔からゲームにハマる性格でもなかったし、誰かとどこかへ出かけるようなこともなかった。今でもアニメ以外に趣味らしい趣味がない自分と重なる。

本作は翠がゲーム制作に対して真剣に打ち込んでいるのとともに、周囲の大人がちゃんと大人だったのが良かった。時に厳しくも暖かく見守っている感じが伝わってきた。

内気で引っ込み思案な美姫がアナログゲームにハマりながら徐々に成長していく展開は毒がなく、心温まるハートフルな良作だった。