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劇場版魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女感想

なんと表現してよいやら。「爆発的にすげぇ面白い!!!」という感じじゃないけど、全編を通して見せつけられる主人公サイドの圧倒的な「余裕」はもはや気品すら感じられる。

(以下ネタバレあり)

 

すげぇ面白いというわけではない、とは書いたが、普通に面白かった。

【簡単なあらすじ】
ある日、惑星の軌道が突如変化し、地球に向かってくる事態が発生した。達也はマテリアルバーストで地球への衝突を未然に阻止した。実はこれは敵組織の陰謀で、わたつみシリーズと呼ばれる超生命体少女達が引き起こしたことだった。
一人の強力な魔導士が一国の軍隊に匹敵する時代、勢力争いに負けじと無理な実験を秘密裏に行う組織が存在するという。
一方、敵組織とて非人道的な実験を進んでやりたかったわけではなかった。敵組織の科学者の一人(名前忘れました)は、実験を繰り返すことで少女たちの自我が消えていくことに耐え切れず、わたつみシリーズの一人「ココア」を知り合いの七草真由美の元へ逃がす。
しかしココアは七草の元へたどり着くことができず、結果的に達也たちと合流する。
助けてほしいと訴えるココアの願いを聞き入れ、達也たちはココアを含めたわたつみシリーズの救助を決意する。
そのころ敵組織は9人しかいないわたつみシリーズで、しかもココアが抜けた8人の状態で、本来12人で行うはずだった「ある実験」を強行する。それは地球の衛星の軌道を外す実験だったようだが、実験は失敗し大量のウラン燃料を備えた巨大地球観測衛星の軌道がずれ、24時間以内に地球に落ちてくることが判明した。
ウランなので(?)マテリアルバーストを使えないと判断した達也は原子の構造を変えることで地球を救うことにした。(この辺の細かい経緯は全然分からなかったです。)
リーナ(アニメ初登場キャラ)の魔法で一気に宇宙空間へ飛んだ達也は見事目的を達成したが、魔力を使い切り地表へ落下する。
それを深雪が「さすがですお兄様」と言いながら優しく受け止める。めでたしめでたし。
(かなりテキトーに書いています。用語も含めて全然違うかもしれません。)


さて、細かい部分を書けていない私が言うのも説得力がないだろうが、しかし「細かいことはいいじゃないか」と胸を張って言いたい。
科学と魔法を前面に押し出した作品で整合性を考えるのはナンセンスだ。
もちろんなんでもありの展開で満足できるのかと問われればそれはそれで難しい問題だが、私の個人的な意見としては作品内での世界観と整合性が取れていれば良い。


本作。相変わらずお兄様はカッコいいし優雅だ。
どんなにピンチでも(ウランを積んだ巨大衛星の衝突で地球そのものが終了しそうでも)、お兄様なら難なく解決してくれるという絶対の信頼がある。

その余裕をたっぷりと魅せる最大の工夫は「会話」にあった。
主人公サイドは声を荒げることも主張をぶつけ合うこともなかった。それどころか何があってもセリフの間が長く、ピンチであることを一切感じさせなかった。
世界の危機でさえ、達也たちにとっては簡単に解決できる些細なトラブルなのかもしれない。


その他、テキトーに列挙。
・バカンスのシーン、みんな巨乳過ぎませんか? キャラデザ的にも正直違和感が……。
・だからと言うわけじゃないけど貧乳の北山雫ちゃんかわいかった。
・後半のお兄様の衣装、あれカッコいいんですかね? なんかギャグみたいだったけど。
・クライマックスで深雪が「さすおに」って言ったのも笑った。
・リーナという本編初登場のキャラと最初は敵対していたのに最後は協力する展開、ベタだけど好き。
・結果的にリーナは達也の妨害をした構図になってるけど、リーナ側も方法こそ違えど世界の平和のために動いていたので責められない。
・この作品の主人公サイドのキャラは、物語の構造上どうあがいても「達也の引き立て役」にしかならないんたけど、それでも中盤でそこそこ活躍していたので良かった、脚本が良かった。
・星を呼ぶ少女と言うサブタイトル、ウラン積んだ衛星が墜落するからまぁあってると言えばあってるけどどうなのかな……。(でもこれ以外にオシャレなサブタイトル考えろと言われても出ないかな……)

 

長々と取りとめもなく書いてきたが、一言で言うと「上質な時間」だった。
映画の感想っぽくないけど、色々考えて出てきた言葉がコレなので仕方ない。それに見た人なら多分同意してくれそうな気がする。