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たまには長文を

ソウナンですか?感想

無人島に一つだけ持っていけるとしたら何を持って行く?」とはありふれた質問の一つだが、着の身着のままで文字通り遭難した女子高生のサバイバルストーリー。

(以下ネタバレあり)

 

実際にはこんなに上手くいくわけもないのは百も承知で、それでいてしっかりとした知識に基づいたサバイバル術を駆使してどうにか生きているところにコメディとしての面白さがある。

そしてコメディでありながら生き延びることに必死なのが印象的だった。この軸がブレなかったのはポイントだと思う。

シリーズ構成・脚本は個人的に大好きな待田堂子。この人がいたから見た。
もちろん原作自体の良さも多分にあるだろうが、全てのキャラをバランスよく使って、かつ特定の悪役・嫌われ役を作らずにストーリーを書くから見ていて心地よい。

本作ではお嬢様キャラの九条紫音がやや周囲に甘える言動があったが、いきなり遭難すればそれも当然で、視聴者に近いポジションを与えられたのだろう。褒められたくて健気に努力するフォローも添えられて丁寧だった。

てっきり最後は救助されて元の生活に戻るのかと思っていたが、そこまでは行かなかった。ほまれの父親の「いま行くぞ」以降は想像に任されたのだろう。

EDのアニメーションが微妙にその回ごとに変わっていて芸が細かかった。うっかりすると気づかないかもしれない。手が込んでいる。

(最終話の衝撃的な展開に興奮したのは内緒ね)