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たまには長文を

4人はそれぞれウソをつく感想

ぶっ飛んだキャラ設定を存分に生かす楽しいコメディだった。

(以下ネタバレあり)

 

キャラの能力や個性がバラバラなタイプの作品では「読者目線」を引き受けるノーマルなキャラを用意することが多い。

(一番有名なのは「とある魔術の禁書目録」の上条当麻。スピンオフの「とある科学の超電磁砲」では上条当麻が不在なのでわざわざ佐天涙子というキャラを用意したくらい。ただし結構前の作品なのでこの例も伝わりづらくなりつつある。)


そんななか本作では4人ともまったく別の背景や能力を持っている。こうなるとストーリーの軸がブレたり展開がとっ散らかったりしてまとめるのが難しいのだが、想像以上にまとまっていて面白かった。

その本質は、「4人のパワーバランスが良い」ということだろう。
宇宙人のリッカと忍の千代。どちらも表向き素性を隠しているが、女性の心が読める関根が「状況を把握したツッコミ役」として機能している。
「女性の」という設定が絶妙で、翼のふりをして学園生活を送るつよしだけは男なので関根でも心が読めない。

常に関根だけが一段高い場所から状況を俯瞰できるわけではないため、展開次第で引き出しが多くなるわけだ。


あとはまぁ基本ギャグマンガなのであれこれ語るまい。
ところどころ不条理ギャグと思われるぶっ飛んだ展開はありつつも、総じてオチで丸く収まるさっぱりしたシナリオが良かった。

そして忘れてはならないのが最終回。まさかEDアニメーションそのものをオチに利用するとは。コメディなのに感動すら覚える鮮やかなフィニッシュだった。

現時点で原作の漫画が2巻までしか出ていないのによくアニメ化したものだと思う。