量産型萌えアニメのようでいて、展開やキャラの言動に少し毒があるところが癖になる作品。
(以下ネタバレあり)
一番面白いのは第1話だった。主人公のサラサが不運なトラブルに対して冷静に立ち回り正面突破する爽快感と、卒業と同時に自分の店を持つ決意がとても良かった。
キャラ設定は微妙に重い。サラサは幼いころに両親を亡くし、貧乏な中で錬金術師になった苦労人である。それ故かサラサの判断基準は金銭面が一番になるらしい。
魔物に襲われて片腕を失ったアイリスを前にして「治せるが金がかかる」と告げたのはサラサの性格をよく表した一幕であった。
その後サラサはロレア、アイリス、ケイトと仲を深めていくが、何かにつけてアイリスとケイトに借金返済を念押しするところがなんとも言えない。「アイリスとケイトが死んだら借金を回収できないから」と笑ってるのも照れ隠しや冗談じゃなくて本心なんだろうし。
このゆるふわな作風にして主人公・サラサが結構金にがめついのが面白くもありブラックジョーク感もある。アイリスとケイトが死んだら借金を回収できないからと笑ってるのも冗談じゃなくて本心なんだろうし #shinmai_renkin
— ロブ (@vector_AB) November 7, 2022
そしてもう一つ印象に残った(残ってしまった)のは第9話『蜂蜜を採りに行こう!』である。高価ながらそのまま食べるとお腹を壊してしまう蜂蜜を知らずに食べてしまったアイリスとケイト。
ハチ対策で防蜂ネット被ってるのにキャラデザのせいでアイリスとケイトのふとももが丸見えなの笑うわw #shinmai_renkin
— ロブ (@vector_AB) December 5, 2022
店にトイレは一つしかなく、先に下痢が来てトイレに閉じこもってしまったケイトと対照的に為す術がないアイリス。そんなアイリスに対してサラサはスコップを渡して店の外を指差す。
すなわち――外で野グソをしろということだっだ。
仮にもヒロインの一人に向かってあまりにも汚いシーンである。というか物語上も必要とは思えないし(そもそも蜂蜜でお腹を壊す設定がいらない)、これが原作通りなら原作者の趣味であろう。
仮に百歩譲ってて原作にそのシーンがあったとしても、普通の萌えアニメならカットする。それをやるのだから普通じゃない。
この萌えアニメ然とした絵柄でヒロインの一人が腹下して野糞するやり取りを入れる必要あったのか? 主人公サラサの妙な性格の悪さもちょくちょく見えるし、結構原作が小汚いのな #shinmai_renkin
— ロブ (@vector_AB) December 5, 2022
第9話は福田裕子脚本。
と聞いてピンときた人は女児アニメ上級者。
あぁ第9話は福田脚本だったのか‥なんか納得 #shinmai_renkin
— ロブ (@vector_AB) December 5, 2022
また個人的にはそこまで気にならなかったが、「もうサラサ一人でいいじゃん」という感想がたくさんあったのも理解はできる。戦闘においても結局サラサが一番強いので魔物を倒すのもサラサがやってしまうのだ。辺境の村にわざわざやってきた優秀な錬金術師という舞台設定なので私はあまり違和感なく受け入れられたが、「4人いることの意義」みたいなものに注目したい視聴者にとっては違和感があったのも分かる気がする。
最終話のラストはどうもオリジナル展開らしい。これはベストな選択だったと思う。原作を尊重するあまり風呂敷を畳まずに終わる作品が多い中で、ちゃんと丁寧に幕を閉じたのは高く評価したい。
新米錬金術師の店舗経営見終わった。ゆるふわ萌えアニメのようでいて、主人公・サラサを筆頭に各キャラが妙にお金にがめついのが程よいアクセントになっていた。最後はアニメオリジナルらしいが、原作通りにして投げっぱなしで終わるより綺麗にまとまっていて良かった。 #shinmai_renkin
— ロブ (@vector_AB) December 30, 2022