完成度が高いのは認めるけど個人的にはあまり面白くなかった。好みじゃないというか肌に合わなかった。
(以下ネタバレあり)
やりたいことは分かる。
「ヤクザ物をメイドと秋葉原でリメイクしたらどうなるか」ってのをやろうとしたわけで、確かにトンデモ展開の連続と毎回誰かが死んでいくストーリーは衝撃的だった。本作がクールで一番という感想もけっこう見かけたし、そういう意見は否定しない。
ただ論理的に理解できても、楽しかった・面白かったとは言いがたい。
仇や復讐の応酬で殺し殺されるのは百歩譲って「アリ」としても、気に入らないなどという理由で唐突に殺されるキャラもいたからなんとも後味が悪い。まして野球回みたいなギャグパートの最中で死なれても困る。
そしてそれをインスタントに「面白い」と思うのは不謹慎だと自分の中でブレーキがかかってしまう。
シリーズ構成は比企能博。本作には満足しているようで、自身のTwitterで
>心の底から面白いと思うアニメが出来て幸せ
と書いていることからも、当初計画していた通りの出来になったことが伺える。
アキバ冥途戦争ご視聴ありがとうございました。
— 比企 (@pikiyon) December 22, 2022
心の底から面白いと思うアニメが出来て幸せでした。
また面白い物書きます。#アキバ冥途戦争
シリーズ構成・脚本担当させて頂きました。
— 比企 (@pikiyon) December 22, 2022
この最終回が書けて本当に良かったです。#アキバ冥途戦争 https://t.co/4gCvcfH8W8
とすれば作品としては特段問題がなく、やはり私の「肌に合わなかった」ということなのだろう。
最終話、投げやりエンドならぬ「投げ槍」エンドで唐突に終わったのもあまり感動できなかった。衝撃的ではあるけれど、衝撃だけというか・・。
その前に冷徹な凪がなごみの何に感化されたのかもイマイチ見えにくかった。
いやまぁ、なごみの中にかつての美千代さんの面影を見たのは理解できるのだが。
なごみの言う「殺し合いに何の意味があるんですか」も、なごみ自身が作中で誰も殺していないから一定の説得力はある。けれどとんとことんサイドも他の派閥のメイドは殺してきたわけだから、いきなり綺麗ごとを言われた感も残った。
結局凪は、なごみの脇腹は撃ったくせに殺しはしなかった。仲間は撃ち殺したのに・・。その挙句取り乱して弾が切れるまで撃ちまくったので、その一瞬の隙をついて手下に頭を撃ち抜かれたわけである。
終盤で反論してきた幹部を容赦なく射殺するくらい気が立っていたのもラストへの伏線として機能してはいる。
凪にはいくらでもなごみを撃つ機会があったのに、最後まで撃たなかったことから何か彼女の心の中で価値観が変わりつつあったのかもしれない。それも死んでしまったので確かめようがないのである。
繰り返しになるが、脚本自体はよくできていた。それは否定しない。
ただ私には合わなかった。殺し合いの中に「説得力」を感じられなかった。
変なたとえだけど「激辛ラーメン」を頼んだら「ただ辛いだけの、さっぱり味がしないラーメン」が出てきた感じ。(伝われ)
2023年9月には「舞台化」するらしい。殺し合いどころか出血もできなさそうだけど大丈夫か?
アキバ冥途戦争見終わった。ヤクザ物をメイドで焼き直す独創的な発想自体は尊重したいところだけど、面白いかで言えば個人的には刺さらなかった。仇だとか気に入らないからと殺し合いしてる人間が何を言ったって説得力ないし。毎回誰か死ぬノルマも微妙だった。 #アキバ冥途戦争
— ロブ (@vector_AB) January 3, 2023