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たまには長文を

武装少女マキャヴェリズム感想

学園×アクションバトルものというなかなか見ないジャンル。
シリーズ構成が良い仕事をした。各回のストーリー以上に12話の使い方が上手かった。

(以下ネタバレあり)

 

原作の漫画は実在する剣術の知識を基にした描きたいシーンが先にあって、後からストーリーを紡いでいったタイプだろう。
往々にしてこの手の美少女キャラデザでは戦闘の細かい描写をごまかすことが多いのだが、そこはこの作品の見せ場とあってどのシーンでもこだわりが感じられた。
そもそもマキャヴェリズムとは、どんな手段や非道徳的な行為も、結果として国家の利益を増進させるのであれば許されるという考え方らしい。
共生という大義名分のもとに武装を認める設定をうまく表している。

やる気がなさそう(所謂やれやれ系)だけど実は情に厚い無双主人公なのはここ数年の流行で例えば同時期放送のロクでなし魔術講師と禁忌教典もこのパターン。

独特なキャラ名と必殺技、一人ずつボスキャラを倒すところがどことなく東方っぽい。そう思い始めるとOPもどことなく東方ボーカルっぽい。

キャラづけは若干過剰気味ながらどのキャラも個性が立っていて良かった。喜怒哀楽表情豊かで人間味に溢れていた。特にメインヒロインの輪。久しぶりに本来の「正統派ツンデレ」を見た気がする。

作画は上述の戦闘シーンも含めて安定していた。これは流石SILVER LINK.

唯一惜しかったのは血の描写。
せっかくリアリティのある戦闘が描写できていて出血もしているのに、常に身体が無傷なのはどういうことなのか。作画カロリーを気にしたのか血が多くてグロくなるのを嫌ったのか真意は定かではないが、とにかくもったいなかった。

学園でバトルする作品と言えば、悪魔のリドル(2014年)がよく分からない感じで終わって消化不良だったことを思い出す。
まぁ本作もこの様子だと原作の方はどう収集付けるのか予想がつかないが、少なくともアニメに関しては12話で起承転結過不足なくきっちりやり切って完璧なストーリー展開だった。