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たまには長文を

このヒーラー、めんどくさい感想

最終回で綺麗に丸く収まったところと、最終回で各回のキャラが勢揃いして活躍する展開の二つは良かった。

(以下ネタバレあり)

 

 

タイトルにもあるヒロイン・カーラの「めんどくささ」は主人公・アルヴィンに対する隠れた好意を素直に出せないツンデレ部分にある。

照れ隠しで態度が悪いのはテンプレ的なツンデレで悪くない。むしろツンデレブームが終了した2022年にあっては貴重なキャラクターとも言えよう。

一方で、なんら落ち度のない毎回のゲストキャラに対してもところ構わず悪態をつきまくる性格は見ていて気持ちの良いものではない。単に性格と口が悪いからではなく、オチにフォローがないためだ。

いくら本心でないにせよ(いやカーラの本心なのか?)、悪口を言いまくったなら相応のカウンター、有体ありていに言えば「痛い目」に合わないとコメディとしてもバランスが悪い。

一方的に悪口を言われ続けたゲストキャラが呆れて反論をやめてしまうのも、イジメの現場を見ているようで気分が悪かった。

逆に言えば気分が悪くなるくらいにカーラの毒舌が冴えわたっていたとも言える。それこそ――中学生の頃の自分を思い出すくらいには――。

カーラの口の悪さ、なんとなく昔の自分を見ているようで、当時の反省と同族嫌悪的な気味の悪さもあるのかもしれない。ニコ動でコメント付きで見ている限り最終話EDは好意的なコメントが多かった。あのくらいがクセになる視聴者層もいるのだろう。実際、時折見せるカーラのデレは確かにかわいかったし、脇役たちも愛嬌があって好ましい性格だった。