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たまには長文を

TVアニメ・アイカツオンパレード!感想

2019年10月より2クールに渡って放送されたTVアニメ・アイカツオンパレード!が第25話をもって最終回を迎えた。
敢えて"TVアニメ"と付けているのは後続にWebアニメ・アイカツオンパレード!が作られるからである。

(以下ネタバレあり)

 

前作・アイカツフレンズが、二人一組にこだわり過ぎてか窮屈な展開が続き、結局ジュエルが何なのか明かされることもなく事実上の打ち切りのような形で終わってしまったことを振り返れば、本作で過去作とのクロスオーバーを行い人気キャラを再登場させて人気回復仕切り直しを図った制作側の様子も想像がつくというものだ。

私はアイカツ1部の途中までとアイカツスターズを見ているだけなので全てのキャラを知っていたわけではなかったが、過去作のキャラが再び命を吹き込まれ活躍する姿は楽しさに加えて感慨深いものがあった。

ストーリー展開は目に見えて良くなった。フレンズではそもそもキャラが少なく、さらに二人一組を前提としていたので毎回似たようなストーリーだった。これはTwitterやこのブログでも何度か取り上げた。
オンパレではどんどんキャラを投入してくるし、1話に何曲も使う柔軟で贅沢な脚本になった。きっと脚本家陣もこんな楽しいストーリーを書きたかったのでないかと個人的に思っている。

特にゴシック系(クール系?)のさくや・かぐや・スミレ・リリィ・アリシア・ユリカが出てきた第17話は最高だった。このメンバーで3話くらい見たかった。レイも加わればなお良し……。

まぁ個人的な好みは置いておいて、気になった面もなくはない。

それは主人公・姫石らきの使い方。成長物語を描くにはアイドル経験のないキャラが必要で、らきが抜擢されたこと自体は何も不思議ではない。ラッキーガールの性格の通り前向きで何にでも取り組む姿勢は主人公として申し分ない。
一方で、らきの成長物語としてどうだったかを振り返ると、かなり淡白ではなかったか。
過去作のレジェンドクラスのキャラが何かとお膳立てをしたり、トラブルがあれば即座に支援したり、悩みがあれば的確にアドバイスをしたり……。
それらを全て「ラッキー」の一言で済ませる毎回の終わり方が少し気になった。
変な言い方かもしれないが、らきはもう少し悩み苦しんでも良かった気がする。スターズのゆめがステージ途中で倒れてそのまま小春と別れるレベルまで衝撃的でなくても、周りに助けてくれる人がいるからこそ一人でもがくシーンがあっても良かった。
実際にはこれも伏線だったようで、ただの「ラッキー」でなくらき自身がしっかり成長しなくちゃダメという展開がシリーズの終盤であった。
全体の構成として「できるだけ多くのキャラを出すこと」に重きを置くと、あまり悩まず1話完結でぽんぽん進めていかないといけないし制作陣はそちらの方針だったのかもしれない。
真昼がドレスで大切なことをらきに教えるシーンの宮本侑芽の演技は見事だった。吐息がエロかった。

詳細はまだよく明かされていないがWebアニメ版でもクロスオーバー形式が続くようだ。であれば最終話の感動の別れも微妙な感じに映る。これはこのシリーズとしての区切りをつけるための別れなのだろう。

さて、最初にも書いた通りTV版のアイカツオンパレードはここで終わり、Webアニメ版へと引き継がれる。秋から新シリーズの展開も発表されているが、2012年から続いてきたアイカツのTV放送が一旦終わることになる。Web版は13分だったので規模も半分になっている。秋に向けたチャージ期間なのだと前向きに受け止めたい。

主人公もらきからノエルになるらしい。知らないキャラなのでどんな展開になるか楽しみに待ちたい。