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たまには長文を

アズールレーン感想

細部が分からなくても「面白い!」と思わせるパワーがある作品だった。

(以下ネタバレあり)

 

原作は艦これ以上に知らなかったしキャラも全く知らなかった。4つの勢力があることは序盤で触れられていたのでなんとなくわかったが、舞台も多いのでやはりキャラの相関図は把握できていなかった。
だがこれはありふれた話だ。ラノベ原作だろうが漫画原作だろうが、事前に内容を知っているケースはほとんどない。

そしてキャラクターを知らなくても充分に面白かった。

戦闘シーンの迫力は文句なしで、重低音の響く効果音もこだわりが感じられて新鮮だった。グリザイアシリーズでも発揮した天衝監督の技であろう。

終盤で強大な敵を倒すため敵同士が協力したり、キーパーソンであるエンタープライズが戦闘の途中で精神世界に飛んで気づきを得るのは、それこそ劇場版艦これも含めたテンプレ的展開ではあるものの熱いシナリオだった。

アニメオタク的にもっと細かいところを書こう。
まず空の作画。海と色合いが似ていて差別化させるためかかなり濃い群青色だった。白い雲がより映えていて印象深い。
3Dもうまく織り交ぜて戦闘の迫力を増すのに貢献している。

そして何よりキャラクターデザインである。元のイラストレーターが大量にいてキャラデザも相当バラけているにもかかわらず、よくぞここまで一つのアニメ作品に共存させたものだ。普通はアニメ化にあたってキャラデザを一人つけて統一化を図りそうなものなのにそうしなかった。アニメーターからすれば何作品も作るような負担がありそうなものだが見事に共存させたと思う。

それ故にラスト2話を作るのに3か月かかってしまったことが惜しい。第11話を見る時点では第10話がどのように終わったかなんてほとんど記憶になく、「最初からクライマックスの別作品」を見たような気分だった。