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たまには長文を

ぼくたちは勉強ができない2期感想

鈍感だが難聴主人公ではなく、個性豊かでありながらキャラ付けありきな薄っぺらいヒロインたちではない。そんな「生きた」キャラによる安定の王道ラブコメ

(以下ネタバレあり)

 

思い返せば第1期を見た感想で私は
>個人的には2019年春クールで一番良かった。
と書いた。 vector-cd.hateblo.jp

 

その良さは第2期でも健在で、各ヒロインとの関係がより深まったストーリーだった。原作側では当初のメインヒロイン3人を差し置いて桐須先生の方が人気のようだが、アニメ版では特定の誰かを優遇することもなく、私の大好きな雑破業脚本らしいバランスの良さを改めて感じた。

一番好きなのは第4話。理珠が美容院でイメチェンして成幸がそれに気づかない回。普段のショートカット理珠も可愛いけど眼鏡外してウィッグでロングになった理珠も可愛かった。(アニメキャラが髪型を変えるとオタクは落ちがち。加藤恵ちゃんとか


さて、一般論として単にラブコメをやるなら主人公は「2年生」にするのが定番だ。先輩も後輩も用意しやすく、受験や就職といった進路をそれほど意識しなくても違和感がない。対して本作は成幸たちが受験生であるところにポイントがある。中盤からは進路に関する話題が増え始め、彼らが「高校3年生」である設定が生き始める。

ブコメとして「さすがにそうはならんやろ」みたいなシーンも多かったが中盤以降それぞれが将来を考えることで全体の雰囲気が締まったと思う。

終盤の花火のジンクスでは成幸の手を取ったのがうるかであることが暗示されており、これがネット上でうるかENDだと話題を集めた。(本来「ジンクス」は悪いことが起こる場合にのみ使われるので誤用だけど)
ただし私はこれを見てうるかENDとは感じなかった。確かに花火が打ち上がる瞬間に手を触れていたのはうるかだったかもしれないが、クライマックスでうるかは海外行きを決意し日本を立とうとしている。

もはや高校を卒業しそれぞれの道を歩んでいる彼らが未だに"正妻戦争"を続行中ならば、うるかの海外行きは事実上の戦線離脱になるし花火のところでうるかを優遇したのも分かる。というか私はそう解釈した。
これは逆に考えてみればよくて、花火の一件をもってうるかルートが確定するのなら手を取ったのが誰なのか隠す必要がない。

一方そうではなくて、アニメとしてはうるかルートとした可能性もある(全体的に文乃を優遇していたから考えにくいが)。この場合は花火イベント以降卒業式も含めてうるかルートでのやり取りがあったはずで、うるか推しのファンはアニメで描かれない期間にどんなことがあったのかと妄想も捗るだろう。

視聴者がうるか推しであろうとなかろうと、このようにどちらにも取れる綺麗な終わり方をするから後味が良い。ただ漫然と終わるハーレム構造の作品も多い中で本作はとても美しく締めた。

 

個人的には成幸の妹・水希をもっと見てみたかった。ブラコンヤンデレ妹とか絶対面白いのに。

最後に、報われないヒロインガチ勢として関城さんの幸せを願って――。