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たまには長文を

ぼくたちは勉強ができない感想

個人的には2019年春クールで一番良かった。作画も安定していた。
そして何より脚本が毎回雑破業という奇跡。贅沢の極み。

(以下ネタバレあり)

 

どのキャラも個性が立っていて、それでいてわざとらしくなく自然なリアリティがあった。みんなかわいかった。
この手の作品を見ると脇役キャラを好きになりがちな私だが、今回は順当にどのキャラも好きになった。

2014年の『人生相談テレビアニメーション「人生」』でもそうだったけれど、文系、理系、体育会系というジャンル分けはキャッチーで使いやすく見る側にも受け入れられやすいのかな。

今回は原作の持つ設定の作り込みのうまさも大きかったと思う。
ハーレム系ラブコメにありがちな、ツンデレの意味を履き違えた理不尽暴力ヒロインがいなかった。

成績優秀な主人公・成幸がヒロインに対して勉強を「教えてあげる」という構図は、ややもすれば弱いヒロインに対して一方的に主導権を握ることになり、違和感が生じる危険性もあろう。

しかし1クール見てきてそんな違和感は感じなかった。
それはヒロイン達とて得意不得意科目があり(うるか除く……)、得意科目に関しては成幸より上というバランス感覚による。

ヒロイン達は自分の時間を割いてまで勉強の面倒を見てくれる成幸に感謝し、将来の夢が特にない成幸もまた夢に向かって苦手科目を克服しようとするヒロイン達をリスペクトしている。

なんと美しき健全な関係であろうか。
お互いに相手のことを尊重しているからラブコメらしいお色気シーンは多くても下品な印象を受けない。(まぁ勉強合宿の回ではうるかの裸を至近距離から直視しているとか、いろいろ"攻めた"展開はあったけれど。)

あすみがメイド喫茶でバイトしながら医学部を目指す設定には少しキツいものがあるがラブコメだし許容範囲か。
理系科目が苦手な文乃は辛そうだけど、文系に行きたい理系科目が得意な理珠はむしろ有利でしかないので頑張ってほしい。
でも心を学びたいからといって心理学に向かうのはオススメしない。とはいえ心理学はほぼ統計学らしいので理系科目が得意な理珠には向いているのかもしれないが。

欲を言えばたまに出てくるヤンデレ臭漂う妹をもっと見たかった。


さて、「つづく」と出して締めたからには続きがあるのだろう。
成幸は文字通り"なりゆき成り行き"で誰とも結ばれないのか、誰かと結ばれるのか。

次を期待して待ちたい。