たったの30分(実質25分?)ながら、1200円の価値はあった。
(以下ネタバレあり)
13話と銘打っているものの、実際は7話と8話の間、要するに7.5話だ。
エイラとサーニャが502にやってきた時期の数日を描いている。
この映画、完全にサーニャのためにあった。
というかサーニャが主人公だった。
他のキャラたちからまぁモテるモテる。一番長く映っていた。ちょっと違和感があるくらいに。
まず冒頭。朝のシーン。
エイラが目を覚ますと何故か隣でサーニャが寝ている。
細い腕が可愛い。
白い足がエロい。
戸惑いつつも毛布をサーニャにかけ直してあげるエイラ。お決まりの「キョウダケダカンナー」も飛び出す。言葉とは裏腹にまんざらでもなさそうなエイラを遮るがごとくジョゼ(治癒魔法で発熱するキャラ)が突然扉を開けて入ってくる。年末大掃除をするために出ていけと言う――。
この子こんな強引なキャラじゃないよね・・?
曰く、掃除好きなジョゼは年末大掃除の時だけ性格が変わるとのこと。
ちょっと強引な設定な気もするが、今回の「進行役」はジョゼなのだろう。
ストーリー展開には進行役が必須だ。多少強引でも物語を進める役は誰かが担わなければならない。
一番わかりやすい例は劇場版名探偵コナンの元太だろう。みんなその辺の事情を知らずに「元太○ね」なんて実況してるけど、あれは必要なんだよね。
話を戻して。
ジョゼが各部屋を回って「掃除するから」と言うので、各キャラは部屋を追い出されて物語が回り始める。
サーニャを口説きに行こうとするクルピンスキーと、それを阻止したいエイラがノックも無しにサーニャの部屋に押し入ると、サーニャは着替え中だった。戸惑っているサーニャをなだめになぜかサーシャ(記憶能力の子。CV:原由実)が入ってくる。名前が似ているということで(エイラの目の前で)仲良くなる。
冒頭に続いてサービスシーン2回目。今度は下着姿なのでもっとキワドイ。
迷惑そうなサーニャがまた可愛い。
サーシャになだめられて機嫌を直すサーニャも可愛い。
それと年末大掃除という台詞をもって、いまが年末であることがさりげなく示唆された。細かいけど上手い見せ方だ。
その後も、可愛いものを見ると我を失う下原(料理担当)に抱き着かれ、食料をネズミから守ったという理由でジョゼからも抱き着かれ、エイラがイライラしていく。エイラはサーニャと二人で無人の街を歩いて回りたいと言ったが、他にも何かと邪魔が入って叶わない。
私はサーニャが一番好きだ。10年前、「○○は俺の嫁」というフレーズが流行った際に私が唯一言ったのが「サーニャは俺の嫁」だった。10年経ったいま、映画館でサーニャを見られるのも感慨深いものがある。
しかしそんな私でもこの展開には少々戸惑った。なんかわざとらしいしそこまでやらなくても良い気がする。
舞台は変わってサウナのシーン。
エイラが一方的に後ろから3人の胸を揉み、菅野を小、ひかりを中、ニパを大と言って軽く顰蹙を買う。年越しのお祝いに花火を上げる習慣があり、その花火を二人で見ると幸せになると聞いたエイラは自分たちもやろうとサウナ後にラル(隊長)に相談するが、火薬が少ないので却下される。一方でパーティの準備は着々と進んでいた。
サービスシーン3回目。でも胸を揉む展開はいかにもサービスシーン然としていて個人的にあまり好きじゃないのでスルー。
それにしてもこの時点で15分くらい過ぎていたと思う。一向に話が進まないので30分でどうするのか軽く不安になった。
パーティのシーン。
食べ始めたところでネウロイが出現する。やっとまともにストーリーが動く。夜間戦闘の経験が豊富ということでエイラとサーニャ、502から下原、ひかり、ロスマンが出動する。
ネウロイは防御が固く簡単には倒せなかったが、エイラの一撃で勝利した。ネウロイ消滅の光が花火みたいだと言ったのはエイラだったかサーニャだったか、二人は今年もよろしくと小さく手をつないだ。(めでたしめでたし)
502部隊の話なのに最後までエイラーニャが活躍して終わった。501からのゲストキャラだと思ったらがっつり中心人物だった。
以上まとめると、最初から最後までサーニャとエイラの映画だった。
すなわちタイトルのブレイブウィッチーズがもう合ってない。ブレイブの要素がほぼなかった。主人公のひかりもサウナのシーンしかまともに映っていなかった。戦闘にもほとんど参加していないし。
ペテルブルクの要素もほぼなかった。エイラは街を歩いてみたいと言ったが叶わず仕舞いであった。
なんなら大戦略の要素もなかったと言っていい。確かに終盤でネウロイを倒したが、どこに戦略があったのか。しかも活躍したのはエイラだった。大戦略どころか戦略も特になかった。
というわけでブレイブウィッチーズ ペテルブルク大戦略、タイトルと内容がさっぱり合ってない。正直意味が分からない。
とはいえ、サーニャの大ファンである私は無限リピートして何十回何百回と見ていたい映画ではあったし、俺得という意味ではこれ以上ないくらい大満足だった。
(完全なる余談なんだけど、これを見るときシアターに客が私だけだった。リアル貸し切り状態。本当にこんなことあるんだな。)