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たまには長文を

ラブライブ!サンシャイン!!感想

これだけ制約があれば、まぁこうにしかならないよね。

(以下ネタバレあり)

 


ラブライブ第一期は、「ラブライブ」という名の甲子園を目指してチーム作りから始める作品だった。ただしその目的はあくまで学校存続であり、出場は目的ではなく手段であった。結果的に出場は叶わなかったものの、学校存続を成し遂げた。

物語は綺麗に完結したにも関わらず第二期の製作が決まったことで取られた戦略は「ラブライブをもう一度開催する」という設定だった。そしてμ’sは優勝し一期で叶えられなかった夢を叶えた。

学校存続、ラブライブ優勝という目的と比較すると、本作サンシャインでの彼女たちの目的は「楽しみたい」という随分フワっとしたものになっている。かと思えば中盤からこちらでも学校存続が目的になり設定が一期に寄せられている。


改めて語ることでもないが、構造や設定を前作と同様にしつつ別のストーリーを作るというのは相当大変なことなのだろう。
結成に反対する生徒会長、衣装要員、作曲要員などなど、「どう頑張ってもこうにしかならない」という縛りをひしひしと感じた。


そんな中で本作の見どころを挙げるならば、間違いなく第8話冒頭のセイントスノーのシーンだろう。楽曲は重低音が心地よい。他のダンスパートはCGで作っていたのにここだけ手描きでしかも相当なヌルヌル作画。個人的に2016年ベスト作画と言っても過言ではない気がする。

 

 


ラブライブは第一期からダンスシーンにおいてCGを積極的に採用してきた。それは私自身も2013年に言及している。


2014年にも、


それにもかかわらずさらに2年経過した2016年に、格上の相手のダンスを手描きで作ったというのはすごい。CGにはまだまだ負けないというアニメーターの信念か、なんだかんだ言ってもまだCGより手描きの方が上ということか。

 

 


その他気になったことをいくつか。

千歌母「今度は……やめない……?」
千歌「……うん!」
このやりとりおかしくない?
千歌ってやりたいことも無くてなんとなく生きてきたんじゃないの? 「何かに手を付けては飽きてやめるタイプ」ではなかったはずだが。

キャラ付けが極端すぎて疲れた。
仮にも高校1年でしょ、がんばルビィって……。堕天使も痛々しくて見ていられなかった。

最終回のミュージカル。まぁ演出と思えばそんなに悪くないのかもしれないけど、突然の自分語りとか観客が立ち上がってステージに移動したりとか、明らかにルールを逸脱していて全く感動できない。


ネットで感想を探してみると、やはり最終回については否定派が多い。
ただ脚本だけを叩くのはどうなのだろうか。何度も言うように、本作は「制約」が多すぎた。第二期制作の余地を残すためか「完結すること」すら許されていない印象を受けたのはきっと私だけではないだろう。

 

学校存続はさておき「自分たちの目標を見つけて行動すること」という観点で見れば割とよくまとまっていたと思うし、見る価値はあったと言えよう。

さらに個人的な事を言えば、2013年に抱いた感想が、2017年を迎えようとしているこのタイミングで「繋がった」ことが感慨深い。