私は佐藤卓哉監督目当てだったのであまり気にしないが、掴みどころのないふわふわした展開が好みに合うかどうかで評価が分かれそうな作品。
(以下ネタバレあり)
「ネットロア」とはインターネット由来の都市伝説のことらしい。モチーフとなる都市伝説そのものの真偽はさて置くとしても、原作(小説・漫画)に取り入れるくらいなのだからその方面では有名なエピソードなのだろうか。
『化物語』で言うところの「怪異」に該当するであろう"裏世界の住人"は確かに見た目不気味で気味が悪い。この不気味さはホラー要素が半分程度を占める本作の作風の土台となっている。
一方で、原作由来にして私が佐藤卓哉監督に期待した最大の要素である百合描写も静かにその存在感を光らせている。
視聴者を意識したわざとらしいイチャイチャはほとんどなく、空魚と鳥子の信頼関係が少しずつ構築されていく様子は悪くない。
とはいえ裏世界というフィクション100%の舞台に対して立ち向かう空魚たちの武器はとことん現実的である。すなわち、拳銃である。
拳銃で撃ったり(ほとんど効かない。あと弾はどこから入手?)喫茶店で飲食したりと良い意味でも悪い意味でも作風にまとまりがない。中盤から触れると即死するグリッチが出てきたが、その割には気にせず駆け回ってる気がしてならない。
もちろん、日常パートをしっかり描くからこそ非日常パートが映えるのであってこういう作風自体は否定しない。
それでも例として上に挙げた『化物語』のように根本的な解決を見ないストーリーである。こういう展開がずっと続くので、どうにも見終わった後にスッキリしないというのが正直な感想。
都市伝説に詳しくて元ネタが分かる人にはもっと面白かったのかもしれない。
Cパートで鳥子が飲んでるシーンがCV:茅野愛衣にかけて「かやのみ」って言われてたのは面白かった。
そうそう、小桜がかわいかったです。