のんのんびよりらしいのんびりした雰囲気を大事に作られたことがよく分かる心地よい映画だった。
(以下ネタバレあり)
【あらすじ】
卓が引き当てた三泊四日の沖縄旅行券を利用して、ひかげやこのみも含めたキャラ勢揃いで沖縄へ。沖縄の島でカヤックやシュノーケリングを楽しむ面々。夏海は民宿の中学一年生・あおいとも仲良くなり、沖縄の数日間を満喫した。
以前「ご注文はうさぎですか?」の劇場版の感想でも触れたが、日常系を60分やるのは難しい。
この時は2つのステージを用意して巧みに切り替える工夫があったが、本作でもこのテクニックが使われた。
途中で2班に分かれ片方がカヤック、もう片方がシュノーケリングを体験することでテンポよく繋いだ。
沖縄を舞台に選んだこと自体が大きなポイント。観光地・沖縄も自然を満喫しようとすると彼女たちの住む田舎の景色とそう変わらず、のんのんびよりらしい世界観が感じられる。
序盤、買い物に行くという駄菓子屋を発見してついていくれんげたち。
駄菓子屋の車はサイドの形状的に多分アルファードかヴェルファイアだと思うけどまずそのチョイスに色々な意味を感じて笑ってしまった。
作画的には六人を合法的に座らせようとすると当然相応の車種になる。しかし一人暮らし(?)かつ田舎の狭そうな道を考えるとこの車種にはなるまい。お値段も高い車だし。あんな田舎で「駄菓子屋」で生計が立つこと自体この作品の不思議なポイントの一つだが、実は別のところでかなり稼いでいるのだろうか。マイルドヤンキーならこの車種でも納得なのだが。
デパートではベルトを買おうとする蛍と、蛍がブラを買おうとしていると思い込んでいる小鞠のアンジャッシュ的掛け合い。かわいい。
飛行機では耳をやられ船では酔うという散々な目に遭うひかげ。なんかストーリー進行の都合でかなりいい様に使われた気もするけど脇役キャラが目立つ展開は大好きなので問題ない。かわいい。
前面には出てこないものの、所々でしっかり沖縄を満喫しているこのみ。さすが少し年上の高校3年生なだけあってはしゃがないなりにも楽しそう。かわいい。
劇場版限定(?)のオリキャラ・あおいと夏海の関係も勿論良かった。「近くにデパートがない」という共通点で仲良くなるのが年相応のリアルっぽくてかわいい。砂のシーンやクライマックスの星のシーンも劇場版にふさわしい綺麗で魅せる展開で見事だった。
どのシーンでも最後に間を取って絶妙なシュールさを残していくのが癖になる。こういうクスリと笑えるコメディ要素が上手かった。