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たまには長文を

プリズマ☆イリヤ ドライ!!感想

正直、前作ほどの感動はなかったが依然としてクオリティは高い。


(以下ネタバレあり)

 

並行世界という設定は何かと都合よく使われがちだが本作ではあてはまらない。イリヤたちが飛ばされた世界は美遊のいた世界であり、前作までとは全く異なるストーリーが展開される。

並行世界における「主人公」が相手である以上、対抗する自分たちは「悪」であるという構造が面白くて深い。「正義の反対は別の正義」なんて言い回しもあるが明確に悪になるパターンは中々見たことが無いと思う。初めてかもしれない。

それでもクロは「世界よりも美遊」という選択をする。
イリヤの「世界も美遊も両方救う」という子供っぽい回答もらしさがあっていい。


冒頭に書いた「前作ほどの感動がない」というのはストーリーと作画の両方について。
展開は確かに駆け足気味だったけど、スピード感があるとも言えるし別に批判されることではないと思う。
しかし例えば、時間を割いて溜めにためて渾身の一撃を放ったのに、直後に同等の敵が現れて「全く効いてない!?」みたいなことをされると拍子抜けするし本作ではそれが何度かあった。(地下での戦いと最後の戦い)

作画の方も決して悪くはなかった。相変わらず凝ったエフェクトは時代の最先端を行っている。Fate関連ではufotableの作画のレベルの高さが有名なのだが、こちらも負けていないと思う。
戦闘シーンではどうしても二人が向かい合う「右対左」の構図が多い中で、プリズマイリヤでは1期から画面全体をダイナミックに使った戦闘シーンが面白かった。特に「手前対奥」という構図は絶妙で、奥にいるキャラが手前のキャラに向かって攻撃するときは画面越しに見ている自分に当たるような感じがして好きだった。
(……って2014年にも言ってる)


ところが4期の本作ではどうもそこまでではなかった。
勢い余ってもう少し言ってしまうと、10話から12話まで作画のレベル一段下がってない?
ただ繰り返すけどこれでも充分凝ってることは間違いない。

 


エインズワースの真の目的とそれを達成するための方法、田中さんの正体についてを一切後回しにしてなんとか1クールに詰め込んだというのが実際のところなんだろうけど、次に作るのは5期じゃなくて劇場版らしい。

見に行かなくては。