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たまには長文を

クリスマスパーティ 後編

「何が楽しいんだ……?」

結局、この一言に集約される。
お互い初対面なのにあの女性たちは一体何がそんなに楽しくてゲラゲラ大騒ぎできるのだろう。真剣に分からない。
仕方なく来てあげましたみたいな感じでつまんなそうに座ってる女の方がまだリアリティある気がする。


パーティの開始時刻が迫り、テキトーに席を見つけろとアナウンスされたものの、それは土台無理な話だった。すでにちらほらとグループができ始めていて、開始を待たずに会話に花が咲いていたからだ。もしそこに割り込める人間がいたら余程コミュ力に自信がある人か、単に空気の読めない人だろう。
かくして最初から居場所を見つけられなかった私は、知ってたと言わんばかりに端の壁際に身を寄せた。幸いにして、同じ状況の男が私の他に何人かいた。折角なのでその人と仲良くなろうかと思って話しかけたものの無視された。全くこれだからコミュ障は(ブーメラン)。

そこから先は……書くことがない。
というか書く内容がない……。
お察しの通り、改めてタイミングを見つけて誰かに話しかけるなんてできやしない。

できてたらそもそもこんな人生送ってない。
丸々二時間、延々一人でウイスキーを飲みながら
「一体俺は人生のどこで何を間違ってしまったのか」
と考えていた。


女の子との会話を楽しむ。
これはかなり高度な能力だと思う。まず相手と話を合わせなければならないし、テンポよく切り返していかなければならない。そして冒頭にも書いたが、何がそんなに楽しいのと思うくらい女性のテンションが高い。大した内容の話はしてないのに(失礼)。

だから、やはり自分には無理なのだ。
つくづくそれを痛感、再認識されられたパーティであった。

「二次会行きたい方は着いてきてくださーい」という声を確かに見送って、帰宅の途に就いた。途中で帰ってしまうなんてことができないのは、律儀だからでも真面目だからでもなく、単純にチキンだからだろう。

一人夜空を見上げると狙い澄ましたかのように雲がなく、見せつけるかのように月が綺麗だった。どうせなら曇りのどんよりした夜の方が良かったのに。
雲がない故に放射冷却でいつにも増した寒さに身体を突き刺されながら、綺麗な月明かりから逃げるように社畜寮に帰った。

最初からこうなることは分かっていた。それでも行かなければならなかった。そして始まる前に負けていた。これは他の誰でもない、「私が悪い」という、ただそれだけの話である――。

 

 

あとがき

はい、後編終わりです。相変わらず読みにくくてごめんなさい。ノリノリで前編書いてた割に後編はイマイチでしたね。書くことが無いからどうしようもないんですよね。まさか本当に女性と会話なく終わるとはって感じですけど、まぁ当然過ぎるほど当然の結果ですね。

今年も残すところわずか。
本当にあっという間の一年でした。

来年もよろしくお願いいたします。