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たまには長文を

NEW GAME!感想

動画工房は今回も期待を裏切らなかった。
文句なしに面白かった。

 

みなさんは「一番作画が良い制作会社は?」と聞かれたらどう答えるだろうか。京アニP.A.Worksなんかが出てくるか、或いは良い作画の定義について論じ始めるだろうか。私自身悩む問いではある。
では質問を変えて「一番作画が丁寧な制作会社は?」と聞かれたらどうだろうか。私は間違いなく動画工房だと即答するだろう。

これまでに私が見てきた動画工房の作品を列挙するとこうなる。

プラスティック・メモリーズ(2015)
月刊少女野崎くん(2014)
未確認で進行形(2014)
恋愛ラボ(2013)
GJ部(2013)
まんがーる!(2013)
ゆるゆり♪♪(2012)
ゆるゆり(2011)
星空へ架かる橋(2011)
真・恋姫†無双 乙女大乱(2010)
11eyes(2009)
真・恋姫†無双(2009)
恋姫†無双(2008)
Myself;Yourself(2007)

マイユアなんて知ってるオタクも少ないのではなかろうか。
まぁそれはともかく、この中でも特に大きな衝撃を受けたのが三期まで続いた恋姫†無双である。キャラクターの作画もさることながら、背景の手の込みように感動すら覚えた作品だ。だが2008年と言えば、クラナドアフター、ef、true tearsと、それまでの水準を大きく上回る作画アニメが登場した年である。それらに埋もれてしまった感は否めない。

最近ではGJ部の背景がかなり凝っていた。部室の置物や本棚の本一冊一冊が過剰なほど丁寧に描かれていたことに着眼した視聴者は、果たしてどれほどいただろうか。

そして今作NEW GAME!もまた、背景のクオリティが特に丁寧な作品だった。各自の机の置物や壁紙、外に出れば街の様子から電車内に至るまで、よくもまぁこれほどの労力を注げるものだと思う。

続いてストーリーについて。
働くことをテーマにしたアニメは花咲くいろは(2011)やSHIROBAKO(2014)が挙げられる。
きらら原作なのでこの二つとはまた違った作風だったが、きらら特有のゆるふわな雰囲気の中に「ゲームを完成させる」という芯があって面白かった。意外と多くのキャラが登場したし、その個性の掘り下げも良かった。リアリティがあった。

これはSHIROBAKOでも言えることなのだが、キャラの多くが社会人なので「飲酒」の描写が可能だ。そしてキャラクターが普段と違う一面を見せた時に我々は親しみと愛着を覚える。キャラを記号としてではなく生きているものとして感じるのだ。NEW GAME!はこの辺の見せ方が上手かった。「スタッフの愛を感じる」とは、こういうことなのだ。

何かと中身がないと言われてしまうきらら原作アニメだが、NEW GAME!は青葉の成長だけでなく八神コウの成長も描いていたし、ゲームを完成させた達成感もあって「濃い」作品だった。