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たまには長文を

ろんぐらいだぁす!感想

作者や制作スタッフの自転車愛を感じるなかなかの良作だった。
放送延期さえなければ。

(以下ネタバレあり)

 


第1話、第2話の作画はかなりレベルが高く、制作のアクタスガルパンで鍛えたであろうクオリティを本作でも発揮してくれるのかと期待した。

しかし残念ながらこのアクタスという会社、本作でも納期遅れをやらかしてしまう。
2012年のガルパンで2度の放送延期をしたことは有名だが、実は2016年のレガリア The Three Sacred Starsでも第4話放送後に最初から作り直すという事態を引き起こしている。
まして本作では序盤の第3話が間に合わなかったのだから重症だ。百歩譲って終盤で力尽きるならまぁ分からないでもないが、第3話って……。

不安は現実のものとなり、スタッフには申し訳ないが第3話以降の作画レベルはかなり厳しいものとなった。顔の不安定さやバケツで色を付けただけで影の無いベタ塗りの作画など、本当にギリギリだったことが感じられる。
とはいえ自転車に乗るカットだけは崩壊しないでクオリティを死守したのは一応評価に値すると思う。(一応ね)


トーリーは良かった。運動音痴の主人公が折り畳みの小型自転車から始めて、4人の仲間に見守られながら最終的にはロードバイクでレースを完走するまでに成長した。見ず知らずの自転車乗りに助けられるシーンも含めて、見ていて心地よかった。

声優陣の安定感も見逃せない。仲間を心配する声、安心した声、ちょっとした意地悪を企む声など、声だけからでもキャラの心情が伝わってきて良いキャスティングだったと思う。

放送延期のせいで11話と12話の録画ができず、10話までしか見られなかったのがもったいない。
トーリーも自転車の作画も良かっただけに、全体を通しての作画や放送延期が惜しまれる。