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たまには長文を

けものフレンズ感想

「監督はてさぐれの人か、てさぐれのゆるい感じはきらいじゃなかったけど動物はそんなに好きじゃないし、この作品はパスかな……」
――そう、思っていた。ネットどころかリアルの周囲の人たちまでもが熱狂しているのにつられて見始める、その日までは――。


(以下ネタバレあり)

 

IQが溶けるとかいう謎の表現に引っ張られてしまい間違った先入観を持って見始めてしまったが、本作はそんな作品ではなかった。

旅、増える仲間、一度きりではなく何度も登場するキャラクターたち。困難を創意工夫と試行錯誤で乗り切る展開。徐々に明かされていく世界観。そして最終盤の「全員集合」。
面白くないわけがなかった。


けもフレがここまで注目されたのは異なる層をうまく取り込めたことにあると思う。

悪意のない優しい世界に浸って心地よくなるのも良いし、断片的に提示されるパーツから世界観を真剣に考察しても良い。個性豊かなキャラたちに萌える(死語?)のも、モチーフの動物の特徴をかなり細かく取り入れたスタッフのこだわりを味わうのも良い。
そういった懐の深さが本作にはあった。

CGのクオリティは高いとは言えないし、声優も上手くはなかったのになぜこれほどヒットしたのかと疑問に思う人も少なくないだろうけど、なんのことはない、ストーリーが良かったのである。

今回は短いけどこんなところで。