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たまには長文を

君の名は。感想(2)

前回の続き。

(以下ネタバレあり) 

 

 


(2)小学四年生である四葉が「現役JK巫女の口噛み酒を売り出せば?」とJKの性的価値を理解している違和感について

これはネットでも話題になっていたし、自分も違和感があった。
確かに現実の少女は我々が思っているより早熟で計算高く、自らの性的価値を自覚しているのかもしれない。しかし本作はそういう作品だろうか……?

口噛み酒自体は実在する概念のようだし、「噛み」と「神」を掛けたのかもしれない。
しかし現役JK巫女の口噛み酒を売り出そうなんて小学四年生の発想ではない……。

君の名は。感動しました!」
とか言ってる一般人はこの辺どう思ったのか気になる。


(3)三葉レズ説について
三葉の願望の原点は、ド田舎特有の無意味なしきたりに嫌気が差したことだったはずだ。
しかしそれならば「東京の女の子になりたい」でいいはずだ。
「東京のイケメンになりたい」ではズレる。

この反論は二つ用意できる。
一つは「別の人生を歩んでみたい」という願望の中に「男に生まれてみたかった」というシンプルな願いが含まれているという説。
もう一つは、恋愛劇にするために入れ替わる相手を異性にする必要があったという脚本構造的な理由だ。
おそらく後者だろうが、正直どちらでも本筋に関係ない。論点はその先にある。

いざ願望が叶って東京のイケメンになったのに、三葉がやったことと言えば奥寺とのデートくらいなのである。
「イケメンになったからこそ美人と付き合ってみたい」
というのは一見自然に見える。だが果たして本当にそうだろうか、中身はあくまで三葉である。
もし仮に自分がある日突然美少女になったとして、
「せっかく美少女になったのだからイケメンと付き合いたい」
と思うだろうか?

……思わないのではないだろうか……?
三葉は最初から、村長の娘という注目を浴びる立場から離れ女性と付き合いたいという気持ちがあったのではないだろうか。
そう考えると三葉レズ説は否定できない。


まだまだ続く。